EMIミュージック・ジャパン
この作品をパスしたり、過小評価することがありませんように。 (2008-11-01) サラの作品では、「アヴェ・マリア〜サラ・ブライトマン・クラシックス」等のコンピレーション・アルバム的作品を除けば00年の「ラ・ルーナ」以来となる03年発表のオリジナル・コンセプト・アルバム。エデン、月の次にサラが着目したのが中近東〜インドのエキゾチックな世界。この地域の楽器や歌手がフィーチャーされているが、決してサラの音楽がそれらに飲み込まれている訳ではない。むしろワールド・ミュージックの要素を導入しつつもそれをきちんと咀嚼しており、いつもながらのオーケストラ中心のバックにのってしっかり美声を聴かせてくれ、アルバムのクォリティの高さを保っている。エキゾチックさが前面に出ているのは、M1、7、11(ヒンディ語で歌う部分もある)。クラシック由来の曲は少なく(M3、12の2曲のみ)、彼女の後のベスト盤「ディーヴァ」に収録されたのはそのM3とボーナス曲のサラバンドだけかもしれないが、それらを含めてどれも聞き惚れる素晴らしい曲ばかりだ。M2〜6、8、10、12、13は中近東〜インドの要素を含んでいたり、ナイジェル・ケネディのヴァイオリンをフィーチャーしたりし、ユーロ・ビートを取り入れたりして、自己の音楽に刺激を与えつつも、サラ・ファンなら満足すること間違いなしの音世界を構築している。本作も彼女の美声に酔える見事な作品。サラ・ファンは本作をパスしたり、過小評価することがないように望みたい。 瑣末なことだが、日本語ライナー・ノーツでM4の歌詞が「全部疑問形」になっていると書いてあるが、M4は全部肯定文の歌詞である。Whatで始まる文が疑問文であるとは限らない。