『トリオ』での様々なアプローチはいつか傑作を出す予感はある
(2008-02-12)
2005年10月19日ニューヨーク、ライトトラック・レコーディング・スタジオにて録音。へたうま絵でなかなか特徴のあるジャケットはJosh Georgeという人の作品らしい。
『トリオ』という形式はパット・メセニーが様々なアプローチを試みてきたカタチだが、『グループ』や『デュオ』ほど名作を生み出してこなかった。今回の作品もパットの腕前からしたら普通の出来映えで終わってしまっている。ジョン・スコフィールドとのデュオでも取り上げた『Red One』もやっているのだが、ジョン・スコとの方が数倍魅力的だった。ただこの『トリオ』での様々なアプローチはいつか傑作を出す予感はある。
むしろ気になったのはこのアルバムもリリースしているノンサッチがこのアルバムのインナーで告知しているのだが、過去のパットのアルバムを全部リマスターして再発しようとしていることだった。それは凄い。
パットのジャズ・ギター・トリオによる表現の多様性に感嘆
(2008-02-06)
パットがベースとドラムだけと競演するトリオ形式の作品としては「TRIO 99→00」、「TRIO→LIVE」以来の作品ということになるが、テクニシャン揃いのトリオが繰り広げる演奏の表現能力の豊かさには驚かされるばかりだ。TRIOで感じたような派手さはなく、他の曲を引き離して屹立する「この1曲」と呼べるものはないが、逆にいうとどの曲も高い完成度でじっくり聴きこむのに適したものばかり。21世紀のジャズ・ギター・トリオの1つの方向性を示す快作と言えよう。アップ・テンポの曲に混じって、スローな曲やアコースティックな味わいの美しい曲もあり(例えば6、9曲目)、それらの曲ではまるでチャーリー・ヘイデンとのデュオ「ミズーリの空高く」にドラムが加わったような錯覚を覚える。
なお、日本盤のみのボーナス・トラックがあり、それが7曲目。躍動的な佳曲・好演なので、CDを求める場合には日本盤をお薦めする。添付の解説資料によればこの曲をiTunes配信でも聴けるようにしたい、とパットは語っているそうである。