なめらかでしなやか
(2008-03-08)
白磁のように冷たい青白さを纏ったジャケットデザインが楽曲のイメージを引き立てています。
その歌声はただ漫然と発声しているのではなく、内包した感情やメッセージの情報量が多い印象で、表現に柔軟性を感じます。
役者として表現していく中で培ったものがあるのだと思います。
耳に優しいなめらかな声音でいて同時にしっかりと歌声にメッセージを込める彼女の個性が、リスナーの強い支持と期待を集めてやまないのでしょう(その分辛口の意見がいつも多い)。
このシングルもまた、清々しい聴き応えとともに30歳へ向けての坂本さんの成長を期待させるに十分だと思います。
彼女の選んだ、彼女の歩むその先
(2007-12-16)
正直、菅野よう子と袂をわかった彼女に今の今まで、何の魅力も見いだすことが出来なかった。
代わり映えのしない。どこにでもあるような聞き慣れた歌。そんなものを、彼女には求めてはいない。菅野よう子の作り出す世界をその美しい声でただ代弁してくれれば、それでいい。
菅野よう子ありきの坂本真綾。
自分が求めているのはそれなんだと必要に思っていた。いや、求め続けていた。それが、確実なのだと。最良なのだと。
しかし、彼女は足掻いた。
足掻いて、足掻いて、決して諦めなかった。以前の名声を失っても、過去に嘆かれても、前を見て歩み続ける。
そんな姿が、この曲には刻み込まれている。自分の歌を自分自身の力で紡ごうとする彼女の力強い詩が。
表現の活動には終わりはない。絶対もない。それを教えられた気がする。
言葉は要らない。
だが、もし言葉で伝えるなら、"いい曲"です。
ぜひ、聞いてみてください。
いいと言えばいいのだが
(2007-12-11)
曲も歌詞もいいと思う。
だけど個人的に何故か何回も聞きたいと思うような中毒性を感じられるぐらいの曲ではないかなと思う。
その点ではミツバチと科学者の方が上手かもしれない。
しかしジャケットや内部の写真は美麗なので一見の価値あり。
売れる事ばかりを願いたいわけではないけれど、アニメのタイアップにするならば今回のような本のおまけ限定アニメではなく、もっと多くの人に聞いてもらえる通常アニメのタイアップにした方がいいと思うのだが…。
繊細さと力強さのある歌声
(2007-12-07)
彼女の「さいごの果実」が広く広くみんなの耳に届くことを願います。
体で感じてほしい曲。
揺るがぬ歌声―坂本真綾という奇蹟
(2007-12-04)
菅野よう子が音楽を手掛けた『エスカフローネ』にてデビュー以来、彼女の歌を聴いている。
正直ギクシャクした感のあった菅野離脱後の初アルバム『夕凪LOOP』を経、最新アルバムの
『30minutes night flight』に至って、やっと本来の彼女らしさが波に乗ってきたと感じた。
やはり彼女、坂本真綾は「歌を歌ってこそ光る人」だった―それも"彼女自身だけの"。
本作「さいごの果実」にて、さらにその思いが強くなった。個人的に『夕凪〜』の
h-WONDER曲他も決して嫌いではなかった。それはたぶん坂本真綾自身の歌だったから。
そして、鈴木祥子曲の本作も素晴らしい色彩(いろ)を持っている。
…いや、むしろ無色透明とでも言った方がよいかもしれない。
元々真綾という人は何物にも染まらない自分自身の色を持っている人だと思う。
でもその実、何にでも染まれる資質も同時に持ち合わせている稀有な人。
(本題から少し離れると、演技面では最新作の『空の境界』が楽しみだ)
彼女の歌声=彼女自身。そう思うからこそずっと坂本真綾が好きだったのだ。
だから、おそらく心配は何ひとつ要らないだろう。何より「さいごの果実」という、
今この時のこの歌声が、今この時を生きている彼女自身を如実に表しているから。
たとえもし菅野作品に戻ることがなくても、安心して今後の彼女を見守ってゆける。
これからもずっと、その彼女自身のうちに眠る彼女だけの羅針盤を信じたい。
何物にも染まることのできる柔軟さ=揺るがぬ自分自身を持っているという
その確かな証拠がここにあるのだから―その無垢な姿は、どこまでも美しい。