ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
グールドにディアベッリのない謎 (2008-05-06) 1966年11月8日から1974年6月23日にかけて録音。 グールドが残したベートーベンの変奏曲の演奏は以下の3つしか公式にはない。 ・32 Variations in C Minor for Piano on an original theme, Woo 80 ・6 Variations in F Major for Piano on an original theme, Op. 34 ・15 Variations with Fugue in E-flat Major Op. 35 そうグールドには不思議なことに『ディアベッリ』がない。ご存知の方も多いと思うが、『ディアベッリ』はバッハの『ゴルトベルク変奏曲』と並び称される作品である。1823年、ベートーベンが52才の時の作曲で大作『ミサ・ソレムニス』を作曲中で、32あるピアノ・ソナタの作品109から111を書き上げた後にあたりこの曲の作品番号は120となっている。これがないというのはこの曲がグールド向きであるが故に大きな謎だ、とこのアルバムを聴きながら思う。 そしてバガテル。これぞまさにグールドの真骨頂と言える演奏だ。バガテルとは『つまらないもの、ちょっとしたもの』という意味の小品のことである。ベートーベンのイマジネーションはこの小品ではずっと自由になっている。グールドはそれを楽しみながら弾く。いろいろ考えさせてくれる作品だ。