人間ドラマ
(2008-06-23)
単に一メタルバンドを超えて、際限なく膨らんでいったメタリカとう存在、その怪物ゆえの
苦悩と葛藤が観れる貴重なドキュメンタリー。
ただ突っ走ってきた若い頃と違い、守るべき家族ができたことで葛藤、酒に溺れるジェイムズ
、あくなき追求心がジェイムズとの確執を生んだラーズ、自分のエゴを削ってでもメンバーの
お手本になろうとする奉仕精神溢れるカーク、外に自分の力を試しに出たジェイソン、過去を
回想し後悔をみせるムステイン、実に忍耐強く、粘り強くメンバーを支える精神的支柱の
ボブ・ロック、セラピーを通して知恵を授けるフィル・トウル、事務所の思惑など、それぞれ
が悩みながらも、どうにか行動に移していく姿が人間臭くてリアルだ。
セイント・アンガーを初めて聴いたとき、なんじゃこりゃジャムセッションをそのまま、
出しちゃったのか?と思うほど、生々しい感じがしたが、この映画をみると本当に文字どうり
心身を削って創り上げたんだと感服する。
メタリカファンは必見だが、それ以外の人も音楽というものを創造する大変さや、泥沼に
嵌りながらも必死で生きる人間像に感動できると思う。と、いうより観て欲しいのかもなぁ、
一般的にメタルという音楽は、とかく悪者にされがちな所があって、過去にも事件があった時
犯人がメタルを聞いていたとかで、批判されたり、裁判沙汰なんて事まであったのが現状だが
そうゆう偏見をもった人は、これをみれば恥ずかしくなるだろう。作り手がどれだけ人間的で
ファンや社会に対して、勿論自分自身に対して責任をもって生きてるかが解ると思う。
BANDの実態(-_-;)
(2008-02-04)
これ程までに、BANDの姿を赤裸々に見せてもらえるなんて大変な時代です。
大島渚監督が、愛のコリーダのシナリオを豪華本にされたときの感動と同質の
エネルギーを感じました。洋の東西を問わず、何かを作り上げる過程の姿は、
感動アルのみです。一目惚れしてしまいました。感動あるのみです。
覇王の苦悩。
(2007-11-04)
90年代の全米レコードセールス4位のビッグバンド、メタリカのアルバム「セイント.アンガー」製作時における、メンバー間の葛藤を見事に取り切ったドキュメンタリーの傑作である。
昨今の若いメタルリスナーには、メタリカの凄みは中々伝わらないのかも知れない。リンキンやコーンなど21世紀のメタルシーンを牽引するバンドは日進月歩で現れているが、メインストリームにメタルの衝撃で一撃を加えた、メタリカの功績は計り知れない。
このドキュメンタリーは、そんな覇王メタリカも所詮人の子と思わせる、えげつない程の人間ドラマである。私が特に印象に残ったシーンは、ラーズがジェイムズに対して、セラピーの途中で声を押し殺して、「・・・f**k!!!」と唸るように叫ぶシーンと、「ST.anger」のプロモの撮影に行った、サンクエンティン刑務所での、ジェイムズの独白である。特に後者のシーンは、DVDを見返す毎に、涙無しでは観れないシーンである。
このドキュメンタリーは、単にメタル好き、音楽好きの方に推薦するのではなく、組織で仕事をしている方(サラリーマン諸兄)に是非観てもらいたいものである。チームで仕事を遂行することの苦悩、達成感、全ての要素をこのドキュメンタリーが教えてくれることであろう。