何か1枚だけ、と言われれば。
(2008-07-07)
今まで聴いたロック、JazzのCDから何か1枚、と言われれば、迷った末に、このアルバムを選ぶ気がします。ロックを聴いていた私が、マイルスからJazzを聴き始めて、色々聴きましたが、このアルバム以上にカオス的で、幾ら聴いても魅力が変わらないアルバムもない気がします。
アコースティックのマイルスか、エレクトリックか、という話があり、確かにアコースティックのJazzを長く聴いてきた方々には、エレクトリックのマイルスは、何やら、おかしなことを始めたということだったでしょうし、実際、アコースティックのマイルスも素晴らしいことは間違いないので、当時の反応は理解できるように思います。
しかし、現時点においてマイルスを聴こうとする時に、特にJazzはアコースティックという前提のない側からすると、エレクトリック・マイルスのカオス的なエネルギーのある音楽の方が魅力的なのではないかと思います。マイルスはアコースティックもエレクトリックも関係なく、ただ、その時に一番カッコいい、クールだと思えることをやり続けたアーティストです。アコースティックからエレクトリックに変わったのは、単にエレクトリックの方がカッコいい音楽がやれると感じたからであり、そうでなければ、ずーっと、アコースティックを続けていたでしょう。
アルバムでは、特に1枚目の2曲が最高です。何度聴いてもすべてをつかみ切れない魅力があります。
壮大なる傑作
(2008-03-04)
マイルスのおそらく最高傑作であり、そのスケールのすごさは宇宙的。ジャケットの絵画と音楽内容もピッタリしているような気がします。マイルスの作品中もっとも表現領域が広大で、聴いていて恍惚として自失する思いがする大芸術作品である。
これはジャズではなくマイルスミュージックだ!
(2007-10-03)
これはこれまでの4ビートジャズではありません。いうなればマイルス・ミュージックというべきでしょう。フュージョンのさきがけという人もいますが、その後のフュージョンを聴くとフュージョンというべき音楽ではありません。ジャズではありませんが、マイルスの世界が凝縮された良い音楽であることにかわりはありません。
マイルス・ミュージックの分岐点
(2007-10-02)
マイルスとビートルズをリアルタイムに感じられた1970年ころが懐かしい。僕自身が、ビートルズの解散を機にロックからニュー・ロック、そしてジャズへと歩を進めていた時期でもあった。ジャズといえば出合ったときにすでに歴史になっていたという印象が強く、ロリンズのサキ・コロもコルトレーンの至上の愛もマイルスのカインド・オブ・ブルーもすでに傑作として追いかけていた。ところが、このアルバムはリリースされ日本に入ってきたばかりで、スイング・ジャーナルでも賛否両論の問題作として話題になっていた。ジャケットのイラストもおよそジャズ・アルバムらしからぬポップな絵柄で強烈な衝撃であった。早速買い求めると、これまた、過激なエレクトリック・サウンドが充満し、複合リズムとコレクティブ・インプロビゼーションの音の宇宙に圧倒された。ことにウェイン・ショーターのソプラノサックスの凄さに度肝を抜かれた。音楽のよしあしよりもとんでもないサウンドの洪水に身を任せる恐怖感と快感に酔いしれながら脳の中枢神経を刺激され続けていた。まさに、多感な青春の只中でマイルス・ミュージックの分岐点を現時進行形で体験したのだった。