どうでもいいですよ♪
(2007-04-04)
66年のLP初版は、インナーに イタリアの女優クラウディア・カルディナーレの写真があります。
が、カルディナーレ側からクレームがついて この写真はカットされました。
というわけで 後のLP・CDリリースは、全て カルディナーレ無しのレイアウトです。
04年の紙ジャケCDは、LP初版通りのデザインを復刻させてます。
95年にも、プラスチックのスリップ・ケース付き紙ジャケCDがリリースされていました。
当時最先端だった 20bitリマスターを売りにしたエディションです。
もちろん カルディナーレ無しのレギュラー・デザインです。
熟れ過ぎた果実
(2005-10-06)
このアルバムを聴くたびに、タイトルに掲げた印象を持つことを禁じえない。たしかに、本作は「ブリンギング」と並んで、ファンの中では人気の高い一作である。アルバムの完成度という点からみて、ディランがフォーク・ロック路線に転じてからは、このアイディアがもっとも成熟した形で結実したのが本作だからである。
わたくしには、だからこそいまひとつ愛着の持てないアルバムとなっている。つまり、新しいジャンルを切り開いてゆこうという緊張感と粗削りさが後退し、替わりに落ち着きと慣れが出てきていることが不満なのだ。また、冒頭の「一発撮り」を連想させるミステイクを敢えて収録したことは、今となっては「凝り過ぎ」という印象を逆に与えるのではないだろうか。
本アルバムにはディランを代表する名曲が数多く収録されており、彼の代表作のひとつであることは動かない。しかし、上記の理由から、わたくしにはもはや食べ頃を過ぎてしまった果実と同じように、あまり食指が動かないこともまた事実である。優れたアルバムだし、必聴だとは思うが、ディランの最高傑作と評価することはできない。
不完全な完全(完全な不完全)
(2004-11-06)
このアルバムの曲は、ほとんどが、ライヴセッションでの録音。おそらく、数あるテイクのなかから、より「完全な」テイクがおさめられている。
しかし、本作には、随所に、一般的な意味での演奏ミスもある。しかし、Dylanは、ミスを気にしない。気づいていないのではなく、気にしていない。その結果、アルバム(あるいは楽曲)に「すきま」ができる。もうすこしのぼれば頂上なのに、Dylanは平行移動で疾走するばかり。聴き手は、最初、演奏ミスや、遊び曲に違和感をおぼえ、「すきま」を埋めたい衝動にかられる。しかし、「すきま」を跳び越えてひたすら疾走するDylanのリズムにまきこまれ、そのうち、「すきま」が心地よくすら感じられるようになる。
Dylanが、「すきま」を埋めようとしていたら、本作は、名盤にはなったであろうが、飽きる名盤となったであろう。完全なアルバムには、スリルがない。本作でおこる、Dylanの声のすべり、のび、そしてそれにからむギターフレーズがおりなす、一瞬の音のひらめき。Dylanの、ときにはフライングし、ときには出遅れる歌と、ドラムのフィルインからうまれる、ダイナミズム。そのような、偶然による奇跡の瞬間は、完全な録音を残そうとすると、失われる。
おそらく、Dylanは、ほとんど本能によって、そのことをわかっていた。本作において、Dylanは、ただ必然の結果を追い求めるのではなく、ミスも含めて、偶然を大事にしようとしている。しかも、その意識があいまいであるところが、またよい。なぜなら、偶然を追い求めようとすると、かえって、その意識自体が必然になるからである。そうすると、偶然は、けっきょく必然にとりこまれてしまう。
本作では、Dylanは必然と偶然、意識と無意識、真剣とふざけのはざまでゆれている。その結果、本作は、不完全であることにより、かえって完全な作品となった。
What is this Dylan?
(2004-10-11)
この音楽は、今のアメリカではない、今のロックではない、何か御伽の国の
夢の中の音楽です。イギリスではビートルズやR・ストーンズが創めようとしていた事をもっと現実的な手法や方法を使って、試みではなく確固たる地に足をつけた仕事人の作品集です。まずバックサウンドがいい!DYLANの声を核としてサウンドが絡みつき、跳ね回り、後に付いて来る、巨大な時代の60年代の渦巻きの中心にある、気の遠くなるようなあの時代の幻影[現実]の一こまを音楽に凝縮したタイムカプセル!”!!
悲しい目をしたロウランズの女性を想う
(2004-09-26)
この時期のディランは本当に名曲ぞろいだが、前2作と比べてこのアルバムはより穏やかなイメージがある。代表曲としてI want youやJust like a womanが挙げられることが原因と思うが、個人的には最後のローランドの悲しい目の乙女がすばらしいと思う。希代の名手であるディランが当時の妻であるセーラを想い、彼女に捧げたラヴソングが悪かろうはずがない。冒頭の「水銀のような唇」なんてちょっと妄想してしまう。
また去年でたハイブリット盤以前のCDはもちろん、日本盤のレコードも残念ながら比べ物にならないぐらい音がよい。限定の紙ジャケてのがしゃらくさいけど。