Amnesiac期のシングルはいい。
(2004-03-22)
シングル"Knives Out"と並んでRADIOHEADのシングルとしては屈指の出来です。
タイトル曲は複雑なリズムとミニマルな進行をトムのピアノを中心に昇華させていく名曲。
好きになるには時間が要るかもしれませんが、一度好きになってしまうとシングル選曲になるほどと感嘆してしまいます。
よくぞ仕上げたなぁ~と溜息を漏らしてしまうほど素晴らしい楽曲です。
細かいサウンドまで入念に計算され尽くしています。ジョニーの弾くマルトノが印象的。
B面曲はどれもAmnesiac期を象徴するエレクトロ要素とトライバルでオーガニックな要素が上手にミックスされています。
これでもかと言うほどに作り込まれています。
特筆すべきは"Trans"でしょうか。
ジョニーのギターがやば過ぎです。1弦でキリキリとトレモロを奏でまくっていて頭痛がするほどです(笑)
トムの吐き捨てるようなヴォーカルとロックなリフが非常にかっこいい佳曲です。
pyramid song
(2004-03-01)
あるサイトのトムへのインタビューを見ての事なのだが、彼がこの曲のテーマとしているのは「三角形」だと言う。曲中で駆使されるあらゆる旋律は、その全てが三角形を描いている、とのこと。彼の独特の感性に改めて天性を感じてしまう一曲だ。
finally we are empty
(2002-08-04)
まず表題曲の5拍子で進むアヴァンギャルドロックなんですが、ただ手法だけが新しいだけでなく、(というかこういう手法を使っている、ということも含めた上でなんですが)曲、がすばらしい。神聖であるがゆえに、からっぽ。"ok computer"の福音を終わらせた後の彼らの作品は、すべてフラットで無機質で、泣くことすらできない、口をふさがれたまま手足を切断されていくような苦しみ、そんな感情を想起させる。すべてが元あるべき場所へ。宇宙創世から連綿と続くエントロピーの増加に抗うことは不可能。
このシングルは表題曲以外もすべてクォリティーが高く、シングルだがアルバム「記憶喪失者」に匹敵すると個人的に思う。特に3曲目の無駄に大きいベースと4曲目のぶつ切れのギター(アンチ)ロック、5曲目のハモりがからっぽ感を増幅させる。小編成ながら、この時代の空気を感じるのに十分すぎる内容。
エレクトロニカとは違った新境地
(2002-08-02)
非西洋的なストリングスと変拍子で奇妙なリズムを奏でるピアノがメインの曲。最初は「これがシングル?」と思ったが今となっては彼らの楽曲のなかでもかなり名曲と思うようになった。楽曲自体も良いのだが、音がいい。エレクトロニカを通過した彼らのサウンドは明らかに良い方向に変化した。これはいわゆる「ロック」ではないかもしれないが、「KID・A」の時とはまた違った個性を聴かせてくれる。
*Kineticについて
(2002-06-30)
如何せん僕はこのシングルに収められた*kineticという曲が好きなのである。気が遠くなってゆく者の意識を克明に表したかのような曲調には誰もが言葉を失うだろう。シングルを一枚もきらなかったアルバムとしてKID Aがあるが、あのアルバムは全体において霧がかったようなトーンに包まれていた。しかし*kineticにおいて霧はひどく晴れている。剥き出しにされた灰色の地表で打ち鳴らされるサンプリングは精神を醒ますよう働くと同時に疲弊させる。バンドのうちでもっとも内向的な曲に違いない。