言霊。
(2007-12-06)
かつての男女間の怨恨をテーマに歌っていたニューミュージックシーンの中島みゆきがこの作品あたりから飛躍的な進化を遂げる。生きていく上での人間同士の距離感と焦燥を多彩なメタファーを使いながら一曲一曲に封じ込んでとんでもなく凄いアルバムになっている。壮大なアレンジののEast Asia、スリリングな浅い眠りから、言葉一つ一つを練り上げるようにして紡ぎ出される名曲の二隻の船など聴く者に真正面から向かい合わせる曲ばかり。とにかく歌詞が圧倒的。ここまで自己を客体化して歌詞をかける人は国内外でもほぼ皆無に近い。60年代のJohn,D,LoundermilkやWillie Nelsonなどと同様に詩人の域に達しているレベル。
名作ぞろい
(2007-05-27)
彼女の作品は名作は沢山あるが、このアルバムは特に多いと思う。
「EAST ASIA」「浅い眠り」「誕生」「二隻の舟」「糸」と名作でもあり、人気の高い作品ばかり。
1曲が長い作品も結構あるので9曲しかなくてもそれを感じさせない満足感のある作品。
90年代の名盤
(2007-02-27)
中島みゆきさんのオリジナルとしては20枚目?'92年の作品。
ヒット曲、ファンには長く支持される名曲がちりばめられている。ドラマのテーマ曲となったヒット曲「浅い眠り」、夜会のテーマ曲である「二隻(にそう)の舟 」、「糸」もドラマのテーマ曲であった。
このアルバムはそういったタイアップがあったとかなかったとは無関係にとても完成度の高い楽曲が多い。「誕生」なんてあらためて聴きなおすと涙が出そうになる。瀬尾一三さんのアレンジで'88年に初めてアルバムがリリースされてから4年が経過し、さらに音楽的な洗練が増した感じがする。
アルバムのタイトル曲である「EAST ASIA」は珍しく国際政治的な背景をもたせた曲で、賛否両論があるのではないかと思う。地政学的には東アジアに位置していても海に囲まれた日本で日常的に「ASIA」を意識することは少ない。
あえて意識しない限りは、曲の詩にあるように自分の国が世界の中心と思ってしまいかねない。近隣の国、近隣の人、好きだろうが嫌いだろうが、EAST ASIAの一員だと言うことを改めて意識させられる。
中島みゆきさんのアルバムのレビューでは頻繁に使ってしまうが、やはり「名盤」である。
中島みゆきの90年代のベスト作品
(2006-07-26)
90年代の中島みゆきの活動は、ドラマがらみでのシングルヒットなど、様々な話題が
あったが、その中でもこのアルバムは最高の仕事。
こういうキャリアの長いアーティストの「ベスト作品」をひとつ選ぶと、いわゆる「往年の
名作」的な初期の作品が選ばれがちで、実際、みゆきにも「予感」「寒水魚」といっ
た、そういう「旧名作」群があるのだが、このアルバムはそれらと並んで彼女の代表作
といえる傑作。
シングル曲「浅い眠り」「誕生」、有名な「ニ隻の舟」「糸」なども良い曲ですが、他の
曲もいずれも完成度が高く、全9曲という近年のフルアルバムにしては少なめの曲数
も、不足感よりも「選び抜かれた」という感が強い。曲順の構成も考えぬかれており、
後半の、かろやかな「妹じゃ〜」→大作感のある「ニ隻の舟」→名バラード「糸」とい
う激しい起伏のある流れはしびれます。
中島みゆきの代表作のひとつであり、90年代から現在までに発表されたみゆきのオリ
ジナルアルバムの中では間違いなく最高傑作。
今聞き返すと名曲ぞろいです
(2006-06-23)
まだ中学生の時に、初めて買った中島みゆきのアルバムでした。
その時は、どちらかというと、「浅い眠り」「EAST ASIA」位しか
いい曲はないように思っていましたが、聞き返してみると、かなりの名曲ぞろいでした。
他のレビュアーさんたちが取り上げている「誕生」や「糸」、「二艘の舟」や「萩野原」も名曲ですが、私は「ここじゃない、どこかへ」をお奨めします。
みゆきさんには珍しく、ちょっとビートがきいた感じで、しかも、歌詞の内容も少年(少女?)がなにかを見つけていくものなので、前向きです。
私的には、新しいアルバム『元気ですか』のラインナップにある曲よりも元気になれる曲だと思います。
ほとんどがいい曲ですが、「妹じゃあるまいし」のようにちょっと駄作もあるので、星は4つだと思います。