隠れた名盤。
(2006-12-23)
一般的に広く知られる曲は収録されていませんが、本アルバムの曲は全て、シングルで発売されてもおかしくないほどの、クオリティを兼ね備えていると思います。
特筆すべきは、歌詞の持つパワー。中島みゆきの非凡な才能がいかんなく発揮されていて、特に「永久欠番」の歌詞は、常人ではまず到達し得ない境地ではないでしょうか。
アルバム全体を通して、メロディはしっとり系。歌詞とも上手く絡み合っていて、何回も聴いていくうちに、じわじわとその良さが伝わってきます。
隠れた名盤だと思います。レビュアーは、こういう商品をこそピックアップすべきなのでしょう。
ドラマチックな佳曲ぞろい
(2006-07-06)
おすすめは「おだやかな時代」、「Maybe」、「永久欠番」、「南三条」、「炎と水」かと思います。この内のどれもがドラマチックな佳曲ぞろいです。
「南三条」は何となく「路地裏の少年」っぽいアメリカンロック風の曲ですが、歌われているのは、かつて恋人を奪っていった恋敵とのつかの間の再会。歌詞の一部に恋敵の台詞そのものが入っていて、まるで一幕の芝居の様です。
「おだやかな時代」は男性の視点から、「Maybe」は女性の視点から、傷つく事の多い奇妙な時代を、それでも強く生きていこうと歌った曲のように思われます。「おだやかな時代」はコーラスの部分が何となくゴスペル風です。
「永久欠番」は時が過ぎ、人々の多くが忘れ去っても、それでも忘れがたい存在というものが確実にある事を歌った曲。
「炎と水」は男女を炎と氷にたとえ、相反する性質を持った存在でありながらも、それでも求め合わずにはいられないものと歌った曲です。
「トーキョー迷子」あたりは余りにも歌謡曲的な感じもしますが、全体的に音の隙間を大きくして、スタジオの残響音すらも楽器として取り込んだような瀬尾一三の編曲も見事です。
昔のヒット曲しか知らない人が聴くと、ちょっとびっくりするかもしれないけど、夜会で歌われたような曲のスタジオレコーディング版が聴きたいという方には非常におすすめできるアルバムかと思われます。
毎日BrokenMyHeart
(2006-05-14)
おだやかな時代の毎日BrokenMyHeartのゴスペル的なところは鳥肌が立ちます。すごくカッコイイみゆき節 ビデオクリップもみたことがありますが手拍子や足踏みがめちゃくちゃ格好よかったです! 暗いとひとことで表現できるアーティストなんかじゃないです 中島みゆきは
海の連想
(2005-04-05)
中島みゆきといえば海かな、という思いが結構長生きだったりします。
もちろん海にもいろんなイメージがありますが(私もそうです)、特に「広い」っていうイメージがこのアルバムを通して強く迫ります。
冷たくて広い海。
ふかくて広い海。
穏やかで広い海。
「広い」ことに変わりはないけれど、その表情は千にも万にも。
流行歌、とは明らかに無縁な作品群。
しかし、とっつきずらい訳ではない作品群。
なんと評せば良いのやら。
やはり「歌」には「歌」で報いるべきか?などと、アルバム・タイトルにひれ伏してみたり。
近年のヒット作に「銀の龍の背に乗って」がありますが、
あの雰囲気に近い作品がギッシリ詰まったアルバム。といえば、彼女をよく知らない方にも理解頂けるでしょうか。
本気でみゆきに惚れたなら、
このアルバムは聴かなければダメです!!(笑)
EAST ASIAとともに瀬尾さんプロデュースのアルバム中の最高傑作!
(2003-05-31)
第2回夜会上演の後に発売され、夜会とは切っても切れないアルバムで、
まったくもってミュージカル仕立てな曲も数曲含まれています。
私が特に大好きな曲は次の4曲です。
*おだやかな時代
一部久米宏のニュースステーションで使われていましたが、
フルバージョンがとってもかっこいいビデオ中で発表され、
いくらか手直しが加えられて収められたものです。
私はビデオの方が好きですが、いずれもとても前向きで力を与えてくれます。
*Maybe
第2回の夜会で初めて歌われ、その時から名曲の誉れ高かったものです。
彼女の応援歌の中でも一番前向きなメッセージがあり、
力強さの中に切なさもあれば、まるでシャンソンのようなパッセージもあり、
ミュージカル・ナンバーのように楽しめます。
後にリメイクされたものより、こちらの方がストレートなアピールが感じられます。
*永久欠番
こんな雄大な内容の歌詞が書けて、本当に彼女は偉大です。
このアルバム発売の時、新聞の一面に大きくこの歌詞が掲載され、
なんてパワーがある歌詞かと驚いたものです。
静かに始まりながらも、曲が進むに連れて盛り上がっていくアレンジも感動です。
*炎と水
まるでギリシャ模様のように美しい伴奏に乗り、大きなスケールで歌われる曲です。
これこそミュージカルの曲かと思うほどで、
どんどんと盛り上がっていく様子は、本当に聴き応えがあります。
今までにコンサート等で歌われたことがないので、一度生で聴いてみたいです。
その他の曲も素晴らしく、大音響の中での囁き歌いが印象的な「C.Q.」、
シングル「with」のカップリング曲として既に発表されていて、
シニカルでありながらも情感豊かな「笑ってよエンジェル」、
昔ながらのみゆき節を堪能できる「サッポロSnowy」と、
アイデア・質共にとても高い、本当に退屈な曲がないアルバムです。
みゆきさん初心者の方もきっと感激できると思います。