メンツに負けない内容のアルバムです
(2008-03-24)
パットメセニー、チックコリア、ゲイリーバートン、ロイヘインズ、デイブホランドという当代最高峰のミュージシャンが集結したといっても過言でない豪華メンツによるアルバムです。
そもそもの発端は、メセニーからバートンに、コリアを加えたトリオでレコーディングしないかと持ちかけたものとのこともあり、サウンドは、ギターの音色を一聴すると、メセニーのアルバムかと思ってしまいます。ただ、オリジナルの9曲中、作曲は、メセニー4曲、コリア3曲、バートン2曲ということもあり、内容は、バラエティに富んでおり、各メンツも、決して、自己主張するわけではない範囲で、それぞれの持ち味を聞かせてくれます。とりわけ、ご機嫌なナンバーでの盛上りは、さすがというべきです。
メンツ負けする企画アルバムも多い中、聴き応え十分の仕上がりのアルバムです。
夢のスター競演、期待を裏切らない大傑作
(2006-11-18)
私の好きなチック・コリアのアルバムを取りあえず5作紹介してきたが、最後はホーンなしの現役ミュージシャンによるジャズ・クインテットを考えるとすればほとんどベストと言える布陣による、この大傑作アルバムが締めくくりになる。意外なことにチックとパット・メセニーの競演は本作が最初。一見チック&ゲーリーのデュオ+パット・メセニー+ロイ・ヘインズ&デイヴ・ホランドのリズム隊に因数分解できてバラバラの演奏になるのではという危惧を抱くかもしれないが、完成した作品は各人の個性が融合し、互の演奏へのリスペクトに満ちた、正統ジャズの大傑作アルバムに仕上がっている。チック&ゲーリーの演奏も2人だけの緊張感あふれる演奏に比べると、ゆったりとくつろいだものになっていてこのようなフレーバーも実に味がある。そう、アップテンポの名演揃いなのにゆったりと本格的なジャズを堪能できるのが本作の魅力である。収録された10曲のうちスタンダードを除くと、パットが4曲、チックが3曲、ゲーリーが2曲を提供しており、パットの曲が最も多く、かつパットの歴史的名曲"Question and Answer"を冒頭に配しているので、他のレビュアーが既に書かれているように、パットの作品(少なくとも企画)として捉えるのが正解かもしれないが、このクインテットの一員に徹しきったチックの演奏も実に素晴しい。既に録音から10年近くたつが、私にとってはホーンなしのクインテットによる正統ジャズの作品として本作を凌ぐものにはまだ出会えていない。クインテットによる歴史に残ること間違いなしの名盤として絶対お薦めの1枚です。
パット・メセニーのアルバムとして聴くべき一作
(2003-10-18)
1997年12月15日から17日、ニューヨークで録音。
もともとメセニーの資質を最初に見抜いていたのはゲイリー・バートンで、ECMに『リング』、『ゲイリー・バートン・プレイズ・カーラ・ブレイ』『さすらい人』といったアルバムをメセニーとともに残している。以来2人はずっと親交を深め続けていたが、1997年6月、パットがバートンにチックを含めた3人でレコーディングしようとEメールしたのが本作のきっかけである。
ドラムがロイ・ヘインズというのはチックのアイディア(『ナウ・ヒー・シンク~』や『トリオ・ミュージック』を聴いたものにとっては当たり前の結論)、ベースをデイブ・ホランドにというのはパットのアイディアだそうだ。
10曲中6曲がファースト・テイク、4曲がセカンド・テイクで録り終えている。!パットの立場からみると、もともと自分の才能を見抜いてくれた恩師バートンとそのデュオアルバムで驚異的なサウンドを構築したチック、1989年12月21日にニューヨーク、パワーステーション・スタジオで『Question & Answer』を録音した偉大なる先達、デイブ・ホランドとロイ・ヘインズと組んだ本作は、若かりし時と違い、リラックスしてやれている。
パット・メセニーのアルバムとして聴くべき一作だろう。
メンバー、演奏、サウンド、すべてがゴージャス!
(2002-10-14)
ゲイリー・バートン、チック・コリア、パット・メセニー、ロイ・ヘインズ、デイブ・ホランド。
現代のジャズ・シーンのトッププレイヤーが一堂に会した、まさに夢のようなアルバム。
そして内容もこちらの期待に十分に応えてくれる素晴らしさだ。
大体こういう企画物は、豪華メンバーを単に寄せ集めににしただけで、中身は大したことない、なんてケースも実はよくあるんだけど、このアルバムは別。
メンバー全員がそれぞれに友情と敬意を払い、一人ひとりが「ワン・フォー・オール」の精神で一つの曲を作り上げているのがよくわかる。
メンバー間の息も絶妙で、1曲目の「クエスチョン・アンド・アンサー」が、スタジオで一緒に演奏した1曲目のファースト・テイクというんだから恐ろしい。個別にそれぞれが長い交流をしている間柄だけに、「せーの!」でこれだけの演奏ができるんだろうけど、それを差し引いてもこの完成度はスゴイ!
曲もゲイリー、チック、パットの3人からバランス良く選曲されているので、誰か一人好きなミュージシャンがいたら絶対「買い」、ゲイリー&チックやゲイリー&パット、あるいはパットの「Q&Aトリオ」など、複数のミュージシャンが参加したアルバムを持ってる人は「即買い!」の1枚です。