アンダーソンの自作自演
(2007-01-28)
当時レコードしかなかった演奏の貴重なCD復刻版です。
最近の演奏にくらべれば、聞く人によっては粗野に聞こえるかもしれません。
しかしよく考えてみれば、今にくらべればピッチが低めなので、ハーモニーはハモりにくい
し響きも暗めとなりやすい。トランペットの奏法などは、今の先生が聞いたら目を剥くかも
しれません。
でも私はこの演奏が大好きなのです。ピアノを多少いじった者ととしてはこのピッチが
快く聞こえてしまうのです。
なにより当時求めうる最高の演奏なはずであり、なによりアンダーソン自身の気持ちが
こめられています。
またアンダーソンの自演のピアノも心を込めて演奏されています。
是非御一聴を
20世紀のJ・シュトラウス
(2002-03-28)
ルロイ・アンダーソンは20世紀のJ・シュトラウスなのだと思う。
ワーグナーがヨーロッパを圧倒していた時代、シュトラウスは上品な喜歌劇や、何より洒落たウィンナーワルツで人々を魅了した。ワーグナーは確かに凄いが、こんなに重く長大な音楽ばかりではタマッタものではない。人々がシュトラウスを歓迎し、熱狂したのは当然だったと思う。
20世紀の音楽シーンも大変なことになっていた。最近やっと現代音楽も耳に親しみやすいものに変わりつつあり、ポップスとの共演なども多く見られるようになったが、20世紀を支配していたのは、なんと言っても無調音楽だった。それはまるで、ゴミ箱の中に頭を突っ込んで美しい音を探せ、と強いられているみたいで、とても普通の耳を持った人間には耐えられなかっただろう。こんなときに、アンダーソンは「紙やすり」とか「タイプライター」の擬音を使って、軽妙な音楽で人々を楽しませた。音楽は大ヒットし、いくつかはミリオンセラーにまでなった。これもまた当然だっただろう。
ルロイ・アンダーソンがクラシック音楽を代表するとは思わないし、確かに大衆に迎合し過ぎているかもしれない。でもこれはまぎれもないクラシック音楽であり、私たちはこういう音楽の楽しみ方を失ってはならないのだ、と思う。
自作自演は必ずしも最良とは言えないが、アンダーソンのこれは決定盤。