小間物屋政談
(2007-04-27)
このシリーズには、2つの政談物が入っており、その一つである。もう一つの「五貫裁き」は、噺自体に結構笑わせる処があるが、この小間物屋政談には殆ど無い。それだけに、高座に掛ける演者が居なかったのであろう。志の輔は、所々にクスグリを入れて、聴衆を巧く引き付けながらオチ迄噺を持って行っている。これは、本当に優れた話芸が無くては出来ない事で有り、志の輔が真のストーリー・テラーである事を示している。又、志の輔は、主人公の小四郎では無く、準主役の大家に目をつけ、大家の科白を工夫する事で、実に巧く笑いを作り出している。この大家に対する工夫が無かったら、非常に詰らない噺になっていただろう。その工夫も、極自然な物で、無理やり笑わせようとするのでは無く、チョットしたボケであったり、若干オーバーな表現に留めている。この辺に志の輔の脚色に対するセンスの良さが出ているのであろう。奉行の演技、小四郎に対する思いやりも良く描かれていて、くどさが無く、聴き終って何と無くホッとさせられる、「結構でした!!」大向こうから声を懸けたくなる口演である。
小間物屋政談
(2006-12-21)
零細な小間物屋が仕入れの道中で、追い剥ぎに遭った有名店の旦那を助けたが、
その甲斐なく、別れた後まもなく病弱な旦那は客死してしまう。
その後、勘違いや早合点の重なりで家も妻も奪われてしまった零細店主、
たまらずに奉行所に訴えを提起する。
訴えを受理した大岡越前の奇想天外な解決策とは?
失踪宣告や検死制度、それ以前に交通機関の発達した現代ではありえない話ですが、
それだけに江戸時代の空気が濃密に伝わってくるように思います。
ちなみに、評価を3点とさせていただいたのは、
私が上方落語(米朝、春団治、枝雀ほか)を中心に聞いてきたため、
標準語かつ現代的なセンスの口演にまだ馴染めていないからであります。