すべての罪を洗い流すような慈愛
(2008-04-02)
いきなり歪んだ激しいギターサウンドから始まるこのアルバム
「けもの道」「水鏡」「雲路の果て」はとにかく人間の醜い部分に
重く、真正面からぶつかってくる
幼き日を歌った「T' was on my birthday night」
中盤で再び激しさを見せる「ねないこだれだ」「かがり火」
"私なんて死ねばいいと思ってた でもどこかで私だけが生き延びることだけ信じてきた"
という人間の核心をつくかのような「海原の人魚」など
アルバム曲にも隙がありません
そして「樹海の糸」「ポロメリア」「しなやかな腕の祈り」では
すべてが罪が慈愛に包まれ許されるように、醜い自身が禊がれていく感覚になります
"おやすみなさい このしなやかな腕に体を横たえ 泣きなさい"
じっくりとアルバムを聴けば、「怖い」なんて感想はとても持てない
むしろ、優しく愛に満ち溢れたアルバムで、間違いなく「名盤」です
ヴォーカルが弱い
(2007-08-09)
「クムイウタ」が予想外に良かったので続けて買ってみたが、残念ながら「クムイウタ」ほど評価出来ない。最大の問題は声量の無さで、バックのニール・ヤング風ディストーションギターに完全に負けてしまっている。「クムイウタ」ではそれ系統の音作りの楽曲がさほど多くなかったので何とか我慢出来たが、今作では彼女のヴォーカルの悪い面ばかり強調する結果となった。楽曲は(歪み系の曲は一本調子ではあるが)悪くないだけに残念。
こぼれる愛を集めて
(2007-01-28)
個人的にこのアルバムは、彼女の歌を知る上で一番手っ取り早い気がします。
「けもの道」での狂気、「熟れた罪」「水鏡」「雲路の果て」「ねないこだれだ」「かがり火」の深く行き場のない怒り。
「白い狂気」の願い、「Twas on my Birthday Night」「樹海の糸」「ポロメリア」「海原の人魚」が流す悲しみ。
そして最後の「しなやかな腕の祈り」で感じる彼女の愛。
coccoのすべての要素が隙間なく詰まっています。中でも「しなやかな腕の祈り」は是非聞いて欲しいです。
彼女は、自分が歌うことは愛を伝える事だと言うことがあります。この歌で感じた愛は独りよがりでわがままだけど、とても優しい。
すべての愛をあげると歌ってくれることがこんなにうれしい事だとは思いもしませんでした。
Cocco入門に最適
(2006-05-28)
活動休止前のアルバムの中で最も聴きやすいと思います。
シングル曲が5曲も入っていることもあり耳馴染みの良い曲が多く、
それでいて当時のCoccoの攻撃的・破滅的な曲も収められています。
個性とヒット性を兼ね備えたなかなかの作品です。
ただ、シングルの枚数からも分かるようにこの頃は
最もセールス的なことを念頭に置いていた時期だと思われ、
意図的に分かりやすい曲を入れている感覚は否めません。
やりたい、よりもやらなきゃいけない、が優先されてしまったような。
ただの憶測にしか過ぎませんが、そのような状況が
「焼け野が原」の「もう歩けないよ」に
つながってしまった気がして複雑です。
しかし最後の「しなやかな腕の祈り」は名曲です。
このアルバムでしか聴けないので是非チェックして下さい。
ザンサイアンから入った人は「サングローズ」(個人的に最高傑作!)
の方がいいかもしれませんが、
このアルバムは良くも悪くも聴きやすいのでCocco入門にオススメです。
逆説的な希望
(2005-12-19)
絶望の詩を書ける人は、それに比例するように希望を知っている。愛情と憎しみ、生と死など、互いに矛盾し合った命題を背負いながら痛々しい歌を残していったCoccoは、本当の意味での「救いの手」をリスナーに、そして自分自身に差し伸べていたのだと思う。