大ヒット曲「バード・ランド」を含む彼らの代表作
(2008-08-04)
77年発表の7作目。ウェザー・リポートの最初の一枚は本作と相場が決まっているくらいの代表的な一枚。大ヒット曲「バード・ランド」は鍵盤関係の雑誌を読む人であれば何度もスコア譜を読まされる定番中の定番であり、かくゆう私も本作がウェザー・リポートの初体験だった。陰鬱な雰囲気の全くないカラっと晴れた青空のような爽やかでハッピーなサウンドは梅雨時に聞けば気分を丸ごとリフレッシュさせてくれるほど。ムーディな曲も湿った感じのない、それでいてドライになりすぎない絶妙なラインを保持しており、フュージョンを意識することなくメロディアスなインスト・バンドとして聞くことが出来るのが本作の魅力。ザビヌルの操るピアノ、エレピは言うに及ばず、オーバーハイムを中心としたアナログ・シンセのウォームなサウンドは聞くものを夢心地にさせてくれるだろう。楽曲の完成度も演奏も文句の付けようのない名作。
メンバーはジョー・ザビヌル(k)、ウェイン・ショーター(sax)、ジャコ・パストリアス(b)、アレハンドロ・ネシオスープ・アカーニャ(dr、per)、バドレーナ(per、vo)となっている。
今でも思い出す厚生年金
(2008-05-11)
ラヴェルのボレロがこれでもかと開演前の開場に流されている。
いい加減待ちくたびれた時にあのエンディングでボレロが終了。突然幕が開き
演奏が始まったのはバードランドだったか、正確には思い出せないが。
一番忘れられないのはやはり「おまえのしるし」あれほど美しい弦楽器の音色は
あのとき以前も以降も聴いたことが無い。嬉しさと哀しさが入り交じるような
不思議な気持ちで泣きそうだった。もう無我夢中で何が何だったのか分からないうちに
コンサートは終わってしまった。とても短い時間に感じた。実際短いコンサートだったのかも知れないが。
当日は雨の日でジャズピアニストのK.M.さんが何故か裸足(靴を履いていなかった)で会場に来ていたことを
覚えている。
そのコンサートに一番近い内容の作品がこれ。
厚生年金の時のドラム(P.アスキンだった)がアクーニャだったらもっと良かったのに。
ウェザー・リポートとして最高のバランスでしょう。
(2007-04-07)
この瞬間こそがウェーザー・リポートのピークであると感じますね。
アルバムが発売された当時はRTFに凝っていまして、少々ペンペン言うチョッパーに食傷気味でした。そんな折にジャコのベースを聴いて、これが私の求めていたベース音だと感激したものです。
アルバムでは確かにショーターの影が薄くなりつつありますが、私としては単なるバランスの問題で、特にショーターの出番を少なくしていると言ったころはなかったと信じております。
ブラック・マーケット、ヘビー・ウェザー、ミスター・ゴーン、8:30とずいぶん楽しませていただきました。
飽きるほど聴いたけど、やっぱりこれが一番ですね!
(2007-03-29)
実は、昔からさんざん聴きすぎたせいで、しばらく遠ざかっていたアルバムです。聴く前からフルアルバム全曲が走馬灯のように蘇ってきてしまいます。特にかの有名な「バードランド」の印象は強く、つい跳ばしてしまおうかと思ってしまいます。でも跳ばしちゃだめですよね。
ジャコ、ザビヌル、ショーターの3人のバランスが一番良い時かもしれません。もしかすると、このアルバムだけかもしれません。それぞれのプレイ、コンポジションの妙が楽しめます。
どうでもいいことですが、2曲目の"A Remark you made"を「お前のしるし」と訳すのは、意訳というより誤訳でしょう。「お前の言ったこと」ぐらいの意味です。
実はこのアルバムの中では、6曲目のショーター作「パラディアム」が好きです。テーマは何気にビッグベンの鐘の音「ウェストミンスターの鐘」です。学校のチャイム「キーンコーンカーンコ〜ン」です。そこで展開されるメロディックなショーターのソロが聴きものです。珍しく熱いソロです。ショーターが切れることもあるんですね。ザビヌルとの掛け合いも秀逸です。残念ながらCDではバージョンによってこの曲の最後の部分がカットされているものがあります。気をつけましょう。
ジャコの参加でウェザー・リポートでのショーターの存在感が薄れていきますが、ジャコとショーターのプレイって何となく噛み合いませんね。
PS.カバー・アートのコラージュはザビヌルの奥さんの作品です。次作「ミスター・ゴーン」もね。
絶頂!
(2006-12-07)
いやはや、このアルバムはのっけからぶっ飛ばしてくれるアルバムで、最後まで息をつかせないという意味では聞き手の気力をも要求するアルバムであると思う。ウェザーリポートに加入し、世界の頂点を目指して爆走するジャコにとってはかなり重要な経過点であり、本当の意味で本領を発揮したアルバムと言って良いだろう。ジャコがコ・プロデューサーとしてクレジットされていることからもそのことがわかる。演奏についても、1曲目のバードランドで見せる、まるでギターを弾いているかの様な流麗でファンキーなベースソロや代表作でもあるティーンタウン、同じくジャコの曲であるハボナにいたってはザビヌルがジャコのパワーに押されてしまっているように感じる。ジャコの進化とともにウェザーリポートも進化してゆき、やがてジャズのカリスマバンドとなった。その軌跡をたどるのに相応しいアルバムだと思う。