劇的なWESのギターソロ
(2006-11-05)
なんと言ってもFOUR ON SIXのWesのソロです。一度ラジオのジャズ番組で聴いて、このソロが聴けるCDはどれだろうと探していましたが、とうとう出会いました。それがこのハーフ・ノートNo2です。スタンダード曲がたくさんあって親しみが持ちやすいですが、最大の聴きものは
前述したソロです。いつものユニゾンでテーマを弾いた後Wesのソロが延々と続くのです。集中力が全く途切れることが無く、聴くものをぐいぐいとWesの世界に引き込んで行きます。なぜこんな素晴らしい演奏が長い間お蔵入りになっていたのか不思議です。間違いなくジャズギターのソロベスト5に入ると思います。彼のソロ後にKellyがピアノソロを弾くのですが、「お前の後に俺はどんな風に演奏すればええんや?」と、Wesの演奏に圧倒され、困惑した様にも聴こえます。それに終わり方が録音技術的に不自然です。これがオクラになっていた理由かもしれません。でもこのソロを聴くためにだけこのCDを買うってのもええではないかと、私はお薦めします。
なぜこんなに素晴らしいのか?
(2006-08-19)
ウエスのギターは、非常にソウルフルですね。
何といっても、その素晴らしいリズム感覚。そして、豊かな歌心。
ウエスに匹敵するような衝撃的なジャズギタリストにはなかなか出会えないというのも、寂しいものです(パットメセニーには感じるものがありますが)。
本アルバムの例えば「No Blues」や「Four on Six」などは、昔から数え切れないほど繰り返し聞き、フレーズ等も暗記しているのですが、しかし、自分では未だに巧く弾けない。
才能とは何かを考えさせられるアルバムでもあります。
ちなみに、個人的には、ウエス最高の一枚として「ソリチュード コンプリートライブ イン パリ」を挙げたいのですが、本アルバムも負けてはいません。
ギターに興味をお持ちの方は、必須のアルバムです。
この「赤ジャケ」も買いだ
(2006-02-08)
まるで同じジャケットの色違いでVOL.1(青いジャケット)とVOL.2(この赤ジャケ)があって青ジャケが圧倒的に売れているが、このアルバムも負けずによい。「飾りの付いた四輪馬車」「柳が私のために泣いている」「ミスティ」などの名曲、佳曲がザクザク。ピアニストのウィントン・ケリ−はこの頃、すでに下り坂と言われるが、どうしてどうして、サイドメンとしてはなかなかである。リバーサイド・レコード時代に比べて、ヴァーヴ・レコード時代のウエスの評価はいま一つだが、ハーフ・ノートの2枚に関しては、最高の出来。スインギ−な「イージーリスニング」でないウエスを満喫できる。「青ジャケ」が好きな人だったら、この「赤ジャケ」も買いである。(松本敏之)
CTI路線に移行する前の熱いウェスのライブ録音!
(2005-09-10)
有名なCTI、3部作でウェスを好きになった人は、是非、この熱いライブを聴いて、本当のウェスの凄さ、そしてウィントン・ケリー・トリオとの技のぶつかり合いを体験して欲しい。実は、録音は残っていないのですが、ウェスは一時期、コルトレーンのグループと何度か共演していたのである。「インプレッションズ」というコルトレーンナンバーがリストに入っている訳が分かるでしょう?しかも、コルトレーンとの共演は、評論家達は高い評価をしているのです。是非聴いてみたいと思いますよね?このCDを聴きながら、コルトレーンのサックスを貴方の頭の中で共演させてみて下さい。いや、そんな事しなくとも、このCDを聴くだけで、充分、貴方は、ジャズの素晴らしさに気づくはずです。これが気に入ったなら、時代を遡り、リバーサイド時代のウェスに手を伸ばしてみましょう。宝が沢山見つかる筈です。ウェスは、ポップ路線で世界の注目を浴びましたが、その基礎は、こんなに強固な資質があったからなのです。オクターブ奏法を真似するミュージシャンが居ますが、ウェス程の演奏は、未だに聴けない!ファン必携!
なお、ウェスの死後、「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」というアルバムが発売されましたが、それは、この演奏にオーヴァーダビングを加えたものですので、恐い物見たさの興味がある方は、比較してみて下さい。こちらのCDで充分な事が実感できます。
緊迫感溢れる名演奏
(2005-01-30)
ジャズギターの神様とされるのはチャーリー・クリスチャンだが、彼の影響を受けながらもオリジナルの奏法を確立して、あらゆるジャンルの多くのギタリストらに影響を与えたという意味ではウェス・モンゴメリーこそが「神」ではないかと思う。彼は左手での弦の押さえ方によってオクターブ差のある音をユニゾンで重ねていく「オクターブ奏法」という前人未踏のアイディアを実践してみせた。この奏法はジャズのみならず、ロックギタリストらも当り前に使う奏法として、今や完全に定着してしまった。この奏法を用いた緊迫感溢れる演奏を聴く事ができるアルバムの代表として、このアルバムを推薦する。このアルバムはウェスのリーダー作ではあるが、ピアノのウイントン・ケリーとのバトルが素晴らしく“ツー・トップ”のアルバムとして捉えても間違いではない。特に「No Blues」における二人は、始めは静かに、そして徐々に熱を帯びて緊張感あふれるソロの応酬となって行く。ウイントン・ケリーはもともとブルース・フィーリング溢れるプレイで有名で、自身のアルバムだと「楽しんでいる」という感じのフレンドリーな演奏が多いのだが、このアルバムではウェスに触発されたように本気まる出しの熱いプレイを聴く事が出来る。また、ここまで二人がバトルを繰り広げることが出来たのはベースのポール・チェンバースとドラムのジミー・コブの安定したリズム隊があったればこそ、であることも忘れてはならない。マイルス・コンボ時代からのウイントン・ケリーの仲間である彼らの、根っこが張ったような安定感は「史上最強のリズム隊」と言っても過言ではない。このアルバムを聴いていると、ジャズは「リラクシング・ミュージック」では決してなく、ロックにも劣らない熱さを持った音楽だ…ということを痛感させられる。またそれは、クラッシックにも負けない芸術である事も言うまでもない。