ECM
まったりとした春の朝がここにあります (2004-06-25) ECMは不思議なレーベルで、いきなりWHEELER とFRISELLがLEE KONITZとやっています。KONITZってECMアーティストだっけ? それも2菅とベース、ギターとなれば、どんな音を想像してよいのかわかりませんでした。ただジャケがヴェネチアを思わせる石段に投影される光と蔭。やっぱりそそられると買ってしまいました。聴いてみるとジャケ同様WHEELERのTPも光と蔭で、名盤です。TPという楽器は吹いてみるとわかるのですが、やたら能天気な音が出るわけで、そこに技術が加わると、向かうところはやはり、リー・モーガン。男伊達で溌剌としたメロを吹きたくなるのです。マイルスやチェット・ベイカーのような「夜」を吹こうと考えるのは相当の才能だと思われます。WHEELERはマイルスとは反対の朝の雰囲気を吹きました。うららかでちょっと眠たい春の朝というところでしょうか。コニッツとFRISELLはこのアルバムではひたすら「耽美」していて、ドラムがないことでタイム感をなくし、余計まったりとした春の朝がここにあります。その日、仕事がないならこの1曲目をかけて朝の光のなかでまどろんでいる、なんてのも良いかもしれません。ちなみに試聴コーナーを聴いたのですが、どれもただWHEELERが吹いてるというだけで、メロディラインがみつからず、これを聴いて買う人がどれだけいるのだろうかと思いました。はっきりとしたテーマが最初に吹かれないのでこういうことになってしまうのですが、このアルバムはテーマを聴くより全体のまったり感を聴く作品なので、よろしく。