対位法が好きな人のために
(2008-10-05)
ピアノのヴァーグナーというのは、最初面食らったが、考えてみれば、「マイスタージンガー」は濃密な対位法が展開されているのだから、グールドが弾くのは分かるような気がした。オケでは、シノーポリのそれがかなり意識的だったと記憶しているが。で、聴いてみると、楽曲の構造が良く分かるように弾いてくれる。そう言えば、リスト編曲の「田園」なんかもグールドは弾いてくれていた。作曲の現場に居合わせるような錯覚が、楽しい。でも、そんな想像は抜きに「音」として何よりも素晴らしいと思う。「ヴァーグナー」「バッハ」といった「先入観」を聞かせるのではなく、「音楽」そのものを聴かせてくれるのがグールドの素晴らしいところだと思う。
ピアノ編曲にしては心に残る名(迷?)演奏
(2005-01-15)
自分はいわばワグネリアンではないが、一通りのオーケストラの
曲を聴いてきた。しかしこの演奏には素直に感動できた。
ワーグナーの曲はオーケストラでしか表現できない!と大抵の
人は思うが、実はそうではない。シンプルにかつ鮮やかな技巧で
演奏すると、立派にひとつのピアノ曲として成立すると思う。
この演奏は、それを見事にやってのけている。
「ニュンベルグのマイスタージンガー」前奏曲のリズミカルな
感じも印象に残ったが、特に頑張っているのが、「ジークフリート
牧歌」。これをピアノで演奏するなんて!と思ったが、いざ聞いた
後で、オーケストラの曲を聞くと、あまりに豊かな響きで逆に違和感
を感じた。
このCDに収められている演奏は、単刀直入にワーグナーと演奏家の
思いも感じる演奏なので、ワーグナーは合わないと思う人に是非
聴いてほしいと思った。ただこの演奏にはまると、オーケストラの
方はまったく聴かなくなるかもしれないが。。。