傑作
(2005-11-15)
一曲目はトランペットがすばらしい。エルビス・コステロの♪Shipbuildingを彷彿とさせる。
ちょっとジャズっぽくなったけどいいものはいい。
さすらい人、ついに自分を肯定する。
(2005-05-24)
長い年月をかけて制作したアルバムということで、ボリュームもすごいですがそれ以上に完成度の高さに驚かされます。ただ一部の隙もなく構築されてしまった感がなきにしもあらずで、音楽の勢いや熱っぽさなどはあまり感じられません。あとAOR風のアレンジが多いので、以前よりサウンドが軽くなった印象です(好き嫌いの分かれるところでしょう)。
聞くところによると、結婚したり、子供が生まれたりして、生活環境が大きく変わったようです。「あのデヴィッド・シルヴィアンが父親になるなんて!」と驚いた人も多いと思いますが、このアルバムにもそういった私生活の充実振りが反映して、前向きというか肯定的な詞が増えました。ですから以前のモラトリアム的な世界が好きだった人には少々物足りないかもしれません(笑)。
あと"Wanderlust"はこの人ならではの説得力を持った世界だと思います。西欧文化は歴史的に放浪(ドイツ語のWandern)に対するロマンティックな憧憬を持つ人が多く、Davidもまさにそんな人生だと思うのです。この曲で彼は自分の過去を肯定しています。「今の自分は好きじゃないけど、昔の自分はもっと嫌い。」という感じで過去の自分を全否定していた頃から比べると、とんでもない違いだと思います。
漂う幸福感
(2004-06-30)
最初の「アイ・サレンダー」から、違っていた。
聴き手を包み込む、この幸福感は、なんだろう。
寄せては返す、波のような、穏やかなメロディーの繰り返し。
コクトー、神秘思想、神話と聖書。
それらに影響を受けた今までの作品は、もちろん好きだ。
静かに火花が散るような、ロックへ戻ったレイン・トゥリー・クロウ、シルヴィアン・フリップ。
様々な十年をえて、ソロで作り出した世界は、よく寝かされた葡萄酒のよう。
インド、オリエントの香りを漂わせ、また別の世界へ踏み出した。(彼はヒンドゥーのグルに師事しているらしい。)
ライナーに映る、デヴィッドと妻のイングリッド・シャベイズ。愛しあう、どこにでもいるような中年の夫婦だ。
彼の精神世界を覗くような、至福の音楽集。
新たなる傑作
(2003-07-07)
デビッド自身が最高傑作と呼ぶ1987年の作品「SECRET OF THE BEEHIVE」から実に12年ぶりのソロ。この長い年月の間暖め続けた音楽がこの1枚に凝縮されている。これまでの彼の作品にはなかった、ほんのり明るく、希望に満ちたような音楽がここにはある。また、ニューヨークジャズのような要素が取り込まれていたり、インドチックな要素が取り込まれていたりと、音楽性の広がった彼の成長ぶりに脱帽。さらにこれまでのキリスト教的な作品からオリエント世界へと誘うような作風に変化している。私的には、これぞ、前最高傑作を凌ぐ新たな最高傑作といえる。これもこの12年間の彼の経験と成長の証がこの1枚に凝縮されているからだろう。
圧倒的な美しさ...地味だけれど(^_^;)
(2003-06-25)
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