Only You
(2007-06-18)
1997年9月30日リリース。彼等の2nd。ベス・ギボンズのボーカルが変幻自在であらゆる感情をコントロールして歌にしている感じだ。
その中でなんと言っても好きなのが『Only You』の倦怠感だ。この曲はクリス・カニンガムがPVを手がけていて、DIRECTORS LABEL クリス・カニンガムBEST SELECTIONの中でその素晴らしい作品を観ることが出来る。クリス・カニンガムという人は相手が大物だからビデオを撮るというひとではない。相手が本物でないとビデオを撮らない人間なのだ。その彼がこの曲のPVを撮りたいといったのも頷ける。
モノトーンの中に重力が10倍になったような動きで靴紐や髪の毛が動く。そんなPVである。彼等のファンは是非観て欲しい。
抑えた表現の中に強烈な説得力がある
(2005-11-24)
乱暴な言い方を許してもらえるなら、このアルバムは、
「ただっぴろい空間にシンプルなリフと単調なリズム、
それに絞り出すようなボーカル。それがえんえん続く。」
ただそれだけ。
ただそれだけなのに、驚くほど強烈な説得力を放っている。
バックはエフェクトを多用した加工された音なのに、表情豊かな
ボーカルに負けない説得力をもって歌を受け止める。
一見どこにでもある音のようだが、独特の世界観があって
内省的な力を感じます。1度ハマると1日1度は聴かずにはいられなくなる。
聞き手の好き嫌いがハッキリ出る作風なので万人向けでは
ないかもしれませんが、もし聴いたことがないのなら
1度聴いてみる価値はあると思います。個人的には最高のアルバムでした。
揺るぎ無く深遠なる深い音世界
(2005-01-25)
音楽におけるブレイクビーツが発明されてから今まで様々な実験が
繰り返し行われている訳だが…
そのサウンド面での深み(もしくは甘美な独特の苦味とも言えるで
あろう質感)について独創的な個性を持ち且つ楽曲としても評価さ
れたグループやユニットがどれだけ居ただろう?
出音一発目から臭気を放つポーティスヘッドのブレイクビーツは
やはり説得力があり、病的なまでにボーカルやアレンジメントと
煙たいサウンドプロセッシングのコンビネーションは抜群だ。
そして驚くべきはエレクトロニカヒップホップやニュールーツ
ダブが活発な進化を遂げてもなおも際立つポーティスヘッドの
音世界の深さである。
音楽をきかせるための最新技術
(2002-09-21)
ポーティスヘッドはコンピュータやDJ手法など最新技術を前面に押し出した音作りをしているバンドである。似たようなバンドはたくさんあるが、彼らの特徴はその最新技術があくまで音楽を美しく奏でるために使われていることである。ぺしゃっとしたスネアの音や、曲を切り刻むようなスクラッチ音やヒステリックに聴こえる少女性をおびた声など、計算しつくされた世界である。美しいクラシックや、前衛的なジャズをきいたあとのような充実感が得られるアルバムである。
ブリストルサウンドの新境地
(2002-07-15)
ひたすらダークなポーティスヘッドの2nd。基本的には1枚目を踏襲した作りだが、やはりこの人たちの唯一無二の世界は健在。サウンドの下敷きはクラブサウンドであるにもかかわらず、踊る要素を徹底的に排除。こんなサウンドは聞いたことがない。ボーカルの表情もぞくぞくする感じだし、異常なまでにこのサウンドとボーカルとの統一感がある。97年発表作でも古臭さは皆無。これぞプログレッシブサウンド。