ショパン最後の作品
(2005-11-27)
ショパンのチェロ・ソナタは、彼が生存中に出版した"最後の作品"である。
正に、彼が最後に行き着いた境地が、この作品に集約されているような気がする。
これだけの大作でありながら、その知名度は恐ろしいほど低い。
ショパンは、長い間ピアノ曲しか書いていなかったが、
最後の最後に、親友のチェロ奏者に捧げたというのがこの作品である。
演奏は、今は亡き天才チェロ奏者デュ・プレと夫のバレンボイム。
彼女にとっても、この演奏が最後のスタジオ録音である。
天才達が最後に行き着いた、最高レベルの演奏を、
存分に味わえる究極の一枚だ。
珍しいショパンのチェロ・ソナタ
(2003-06-02)
ショパンといえば、やはりピアノだが、このCDではフランクの著名なソナタと並んでチェロ・ソナタが収録されているのが興味深い。第1楽章冒頭の旋律は歌謡性に富んではいるが、なんとももの悲しい。ショパンについてはあまりに多くのことがピアノとピアノ奏法に関わらしめて論じられてきたが、他の楽器について彼がどのような対処をしているかを知ることは、ピアニスト志願の人にも参考になるのではないだろうか。演奏は、悲劇のチェリスト、デュプレと指揮でも活躍目覚しいバレンボイム。考えれば、二人が夫婦であったのもとうの昔になった。デュプレに合掌。
哀しみの音楽
(2003-04-04)
この演奏は、すでにデュ・プレが、病魔に侵されていた頃の録音です。そのせいか、涙なしには聞けないような音楽です。悲痛な魂の叫びを思わせるような音色はこの世のものとは思われません。彼女を知る人はぜひきいてほしい録音です。
デュプレの真骨頂
(2002-03-15)
これが本当に病魔におかされた人間の奏でる音色なのでしょうか?もう私にはデュプレの澄みきった心が信じられない、奇跡の演奏だと思いました。フランクのソナタは他の楽器にも編曲されていますが、どこかシャンソンのような、名画のサントラのような雰囲気はチェロが一番あっていると思います。4楽章のどこまでも畳みかけるようなピアノとチェロは、さすが夫婦です、これ以上息があった協演は他にはないでしょう。デュプレはどちらかと言えば、激しく情熱的といった印象の演奏家ですが、ショパンのソナタではしみじみとした情感を実に豊かに表現し、これが彼女の真骨頂なんだと感動しました。そしてこの録音が最後になってしまったことがやはり、残念でなりません。