出版が早ければ・・・
(2008-08-23)
“骨から見る生物の進化 (洋書タイトル:Evolution)”という
あまりに美しい骨の写真集が出版されたあとだけに少し損をした感じがいなめません。
本の大きさにもよると思いますが、写真の美しさが違い、
動物の骨格が持つ荒々しさ、組織の生々しい感じが表現しきれず、
“骨から見る生物の進化 (洋書タイトル:Evolution)”に及びません。
しかし、本書の良さは別のところにあります。後半の丁寧な解説。
微妙に痒いところに手が届かないところもあるのですが、
脊椎動物の骨格について、写真とともに学ぶことができます。
値段も良心的。
写真は、少し、ハイライトを強調しすぎではないだろうか。
新生、モノクロームのフォトグラファー誕生と思う。
(2008-07-15)
ヴィジュアルブックが好きで、目にとまって気になると手元に置いておきたくなる。この写真集ともよい出合いだった。写真がなにしろいい。黒の背景に白い骨、それを自然光だけで撮り続けている。フォトグラファーの著者あとがきで「肉体を失った骨(死)から命が吹き出しているのだ。死の生命力とはいったい何だろう? そのヒントは、ディテールに隠されている。死してむき出しになった、骨たちのディテールに」とある。生き抜くためのスピード、ターゲットに飛びかかるジャンプ力、噛みちぎる歯の大きさ、軽やかに空を飛ぶための薄く透き通る頭骨、背骨から肋骨から脚骨、指、尻尾、なんと匠で美しいのだろう。繰り返し、繰り返し、ページをめくり、動物の骨に惚れ込む。これは案外、自分の命の意味、を考えさせられる機会ともなる。人間の骨格の写真はこの本には載っていないが(図説はある)、いまこうして生まれてきた自分が素晴らしいもののように思えてくる。わたしにもこんな美しい骨格があるのだから。もうちょっとましに生きていける。暴走気味の発想だが、見えないところの美しさこそ、大事な美しさがある、と、思わせてくれる。
骨とアートの融合に感動
(2008-07-03)
非常に芸術性の高い、写真集。動物骨格写真集という枠におさまりきらない。 シュールでグロテスクでありながら繊細。かなり見入ってしまいます。 解説も素晴らしい深い一冊。
生命の息吹
(2008-07-02)
これはタイトル通り「骨(動物)」の写真集です。が、なぜだろう、生きている動物の写真よりもダイナミックな骨格をあらわにしたこの写真たちのほうが、かえって野生の荒々しさが迫ってくる。肉を非情に食いちぎったであろう歯の葬列。流線状にしなる甘美な背骨。骨になっても尚語りつづける動物たちの生命のすごさを感じる。「死んだら終わり」という現代の誤った思想に翻弄された人々に是非、手にとって欲しい一冊です。
サイエンスと芸術のコラボレーション
(2008-06-24)
芸術としてモノクロながら多数の実物標本が自然光の中で映像化され,サイエンスとしての骨格について線画を用いて分かりやすい解説もされています.
商業写真家などの撮したカタログ的写真とは違い一部で窓枠まで映ったシュールな表現の動物骨格写真集でありながら,日本を代表する「遺体科学」を提唱する最先端研究者が監修した解説も楽しめました.