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気候変動を冷静に分析 (2008-07-20) 著者はジャーナリストの経験の後、英国サッチャー政権で財務、エネルギー政策にわった方。本書は気候変動問題について冷静に考え直してみるうえできわめて有益である。将来の世代のために地球を守ることが必要、ゆえに地球温暖化にストップをかけるべき、それにはCap & Tradeだというステレオタイプの論調とは全く異なる。ゆえに、著者曰くなかなか出版を引き受けてくれる会社が欧州にはなかったそうである。 著者の主張は信頼性の高いデータや論文に基づくものであり、引用先も巻末にまとめられている。著者主張で印象に残ったもの; ■人類の産業革命以後の活動により二酸化炭素の排出増と地球温暖化の相関関係は科学的に十分実証されていない。 ■温暖化には食料増産効果がある。寒冷地域では食料増産のベネフィットがあり、温暖な地域ではデメリットがある。 ■スターンレポートが用いている将来価値を現在価値に換算するディスカウントレート2%は低すぎる。低すぎるレートを使用することで、温暖化に対して直ぐにアクションを起こすことを煽っているが、100-200年先の子孫のためになすべきことと、自分の子供、孫のためになすべきことを政治が公正に評価すべき。 ■Cap&Tradeは政府の介入による計画経済であり、効果は望めない。炭素税を消費者負担型でかけ、市民が生活を低炭素型に変えていかねば排出は減らない。炭素税の税収は国民に還元することが炭素税の前提条件。 英語の原書で読んだが、日本語での出版が期待される。