Cold Spring Harbor Laboratory Pr
おもしろい! (2005-03-26) 分子生物学の誕生の記録。主な登場人物はクリック、ブレンナー、ペルツ、モノーです(その他にもワトソン、デルブリュックとかベンザーとか沢山沢山)。2重らせん、遺伝暗号解読とリボソーム、オペロン、タンパク質の立体構造などの問題が解明されていく途中で、彼らがどのような思想で問題をとらえ、どのような仮説を立て、どうやって効果的な判定実験を構想して前進していったかが、主要人物への詳細なインタビュー、当時交わされた手紙の丹念な分析などでとてもわかりやすく、臨場感あふれるかたちで展開されていきます。結構な大著ですが、すぐに引き込まれてしまい、ものすごい知的興奮を味わうことが出来ました。 個人的には彼らが常に次のステップの大きな問題は何か、を考えていたこと(特にブレンナーの先見の明)、クリックの問題の分け方の見事さがとても印象的でした。近年のバイオメディカル研究は、どうしてもテクニック指向、プロジェクト指向になってしまいがちですが、問題を思想的に大きく捉え、学問としての方向性を考えていくことの重要性を再認識させてくれました。また分子生物学の考え方そのものを生まれたままに近いかたちで感じ取ることができると思います。分子生物学の一番いい教科書かも。