食からアメリカの内実が見えてくる
(2005-06-13)
食べ過ぎ、偏食が成人病の原因になることが広く知られていながら、国民に向かって「eat less」と言わない米国政府。
本書は、食に関する政府の啓発資料作成を担当した著者が、自身の経験を通じて米国の食品政策の裏側を暴露します。
ただし、食に関する多くの文献や資料を提示しながら話を進めていますので、感情的な記述はほとんどありません。
正しい食の在り方を伝えることがいかに難しいかを、誰もが納得できるように解説しています。著者の良心と知性を感じられます。
その後、議論は米国の政官財学の関係に移っていきます。
驚いたのは、米国では「天下り」はないが「回転ドア」があることと、「政治献金」はないが「PAC」があることです。
また、財界が学会に対する援助や啓発宣伝を通じ、世論を誘導していくのは有名な話です。
これ以上はネタバレになるのでやめましょう。
本書は、食の世界に限らず、米国の政官財学に幅広く思いを致すことができる良書です。ぶ厚さにめげず、是非手に取ってみてください。