Picador USA
おいおい本当かよ?? (2006-03-26) ここに描かれるのは、oriana falalciが"force of reason"で描いた歴史観とは別な世界です。ここでは様々な宗教が共存して、アショカ王やアクバル皇帝の下で融合し、理性の下で更なる高みへの昇華を求める知識人の世界です。著者はインドの長い歴史に見られる多元主義の伝統とその結果としての”世俗主義”のインドにおける本質的な重要性を何度にもわたって緻密で精巧な論理の下で強調します。そこで呈示されるのは多元主義の下で、”発見”されるのではなく、”選択”されるidentityというわけです。確かに、緻密で非の打ち所のない論理がここには展開されています。それだからこそ"argumentative indian"というわけです。インドは確かに、このような解釈を可能とさせます。私自身も子供のときにこの不思議なインドの多様性への”寛容”なるものの一端にかすかに触れたような気もしないでもないです。でも、これは本当リアリスティックな議論なのでしょうか?何か決して否定することのできない道徳のお題目を聞いたような感覚が最後まで抜けなかった読書体験でした。