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The Coming Plague: Newly Emerging Diseases in a World Out of Balance お気に入りに追加
Laurie Garrett
出版社・発売元:

Penguin USA (P)

媒体: Book
ランキング: 86550
発売日: 1995-10
レビュー (Amazon.co.jp)
第二次世界大戦後の一時期、医学関係者たちの間では、地球上のあらゆる疫病を撲滅できるという楽観論が支配していた、これは、当時次々と開発された抗生物質によって、感染症を抑え込めるようになっていたからだ。だが1960年代以降、致死率の驚くほど高い感染症、マールブルグ病、ラッサ熱、エボラ出血症などがつぎつぎと人類に襲いかかってきた。しかもこれまでの抗生物質をいくら投与しても一向に効力がない。そこでアメリカのCDC(疾病制圧センター)の「病気のカウボーイ」と呼ばれるスペシャリストたちがまさしく命賭けで、これらの微生物病原体への闘いへと挑んでいく。

本書は、そうした人間と疫病との壮絶な闘いを描いた大著である。最後まで読者を飽きさせない筆者の筆力は並々ならぬものがある。しかも医学のみならず、政治、経済、文化、社会というあらゆる分野を視野に入れた、ひとつの壮大な文明論であり、著者のことばに従えば、「人々が病気についてどう考えるかという新しい枠組み」を提供する試みでもある。そしてその試みは、見事に成功している。今後、世界規模で人々の交流が盛んになるにつれ、疫病が伝播する危険性もますます高くなる。本書を読み進むうちに、未知の感染症に対する日本の危機管理体制に対する不安が頭をもたげてきた。本書は、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に匹敵、もしくは凌駕する傑作といっても過言ではなかろう。(新田弘光)

カスタマーレビュー

「持続可能社会」へのもう一つの急務  (2007-05-13)
エボラ出血熱の取材でピューリッツァー賞を受賞した一流医療ジャーナリスト著者による、「感染症の辞典」とも言われる名著です。
大陸間の移動の容易さや自由な性行動といった人間文明の発展(?)に平行して威力を増している感染症…HIVやエボラ出血熱、ラッサなどに挑む科学者の努力の歴史と、政治、戦争、経済などそれを妨害する人的障害がクールに描かれます。

原著1994年とやや古い本になってしまいましたが、地球温暖化対策で「持続可能社会」への道筋が模索される現在、資源配分、教育などのプライオリティをどう考え、資本主義の論理では解決できないこれらの課題を解いていくのか、内容の新鮮さは失われていません。

本当に分厚くて専門的で、素人が読破するのには時間がかかります。それでも、SARSとの戦いを取材した2003年の文章が追加されている『崩壊の予兆』ともども、人類にとってとても重要な警告を示しているドキュメンタリーだと思います。

量は多いが読む価値がある。  (2004-08-07)
感染症についての良書。
量は多いが読む価値がある。
読破に数ヶ月は要したが、それだけの価値はある。

読む価値がある  (2004-08-07)
感染症についての良書。
量は多いが読む価値がある。
読破に数ヶ月は要したが、それだけの価値はある。

人類,必読の書  (2004-05-11)
Laurie Garrettの大著です.エボラ,ラッサなど致死率の高いウイルス感染症は未だに発生をコントロールできないばかりでなく,自然界でのキャリアーすら分かっていません.加えて,最近では多剤耐性の結核菌やマラリア原虫など感染症のトピックには枚挙の暇がありません.著者に言わせれば,これらの現象は不安定な政治情勢,紛争,貧困などの社会的要因だけでなく自然破壊,環境変化も関連します.しかし,これらの問題点は何も目新しいことではありませんし,他の科学者や社会学者も指摘しています.Garrettの特筆すべき点は,視点をさらに拡大し微生物の環境にまで言及した点です.森林を伐採すれば自然環境は変化しますが,微生物の環境も変化します.何も前人未到の辺地へ足を踏み入れなくても,周りの自然環境を少し変化させるだけで,新たな感染症に出会う可能性があると具体的事例を挙げて警告しています.地球温暖化で洪水が起こり,土砂が海へ流出したり,処理を施さない下水が海や湖へ流れ出るだけで,環境破壊だけでなく人類が今までに出会ったことのない(即ち免疫のない)病原体が出現する可能性があります.人類は食物連鎖の頂点に位置していると言う自惚れに,とんでもない思い違いだと警告を発しています.微生物は,積極的にお互いの遺伝情報を交換して進化しているという事実に戦慄を覚えます.自然を新たな視点から考えさせてくれる1冊です.

常にタイムリーな本?  (2003-05-31)
上下で1000ページ近い大部だが、各章が独立しており読みやすい。

環境破壊による生態系の変化、性行動の変化、抗生物質の乱用により、新しいタイプの感染症が出現している。一方、先進諸国では感染症はすでに大きな問題ではない、とタカをくくっており、対応がほとんど取られていないが、交通機関の発達もあり、いつ、どのような形でこれらの感染症が都市で流行するかもしれない、と警鐘を鳴らしている。SARS騒動の昨今、改めて読み直す価値のある本。

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