ジェネオン エンタテインメント
「ノーカントリー」の原点、コーエン兄弟の暗黒映画の傑作! (2008-05-31) オスカー受賞の「ノーカントリー」から遡る事25年、コーエン兄弟のデビュー作にして、低予算ながら随所にぞくぞくするような才気を窺わせるフィルム・ノワール。登場人物は4人、“夫と妻とその愛人と私立探偵”による反モラルで漆黒の裏切りの物語。 全編に沈鬱する悪意と背徳、胸クソが悪くなるような暴力描写、不気味な予兆、どんよりと拡がっていく恐怖と不安、緩やかな展開ながら、息苦しくなるほどの緊迫感で観る者に予断を許さない。サム・ライミに師事し、次作「赤ちゃん泥棒」で開花した地上を這い回るようなシェイキーカム手法と呼ばれるカメラの動きが用いられ、他にも、例えば、息も絶え絶えのマーティの奇妙な動きや、生き埋めにされた後の呻きもがく地べたの揺れ、自動車の後部シートにじんわりと滲み上がる血痕、壁ごしの銃撃での貫通した銃弾から射し込む孔光、と言った強烈な余韻を残すショットの数々。映画ファンなら、その鮮烈さとスタイリッシュさに惑溺される事確実。 タイトル名の「ブラッドシンプル」とは、頭がぼおっとする感覚、ハメットの「血の収穫」の一節から採ったと言う。主役の2人より、ダン・ヘダヤとM・エメット・ウォルシュが印象深い。