恵みの雨と共に迎える爽やかなラスト
(2008-09-24)
「攻殻機動隊SACの神山健治監督が放つプロダクションIG新作アニメ」
として、NHKで特集番組が放送された時から注目していました。
BS見れないので、まず原作の「守り人」シリーズを読破し、HPでアニメ版
の予告を見た時点で、DVD全巻の購入を決めました。
作品のクオリティは、TVアニメーションとは思えないほど背景が美しく、
半端なく高いレベルです。キャラクターデザインは、原作の挿絵とはかなり
異なる雰囲気ですが、バルサやタンダが格好良くて私は好きです。声優さん
も合っていますし、音楽も深みのあるアジアンテイストで印象的です。
DVDの単価が高く、全巻購入するのは大変でしたが、後悔はしてません。
「精霊の守り人」を巡る運命との戦いはこれで終わりますが、それぞれには
また新しい運命の旅路が待っています。戦いを求め、なかなか素直になれな
いバルサを「秋の風のように穏やかに」見守り続けるタンダの深い愛情がと
ても素敵です。
バルサ達皆の新しい門出を、恵みの雨が静かに優しく包み込む。
そんな穏やかで、すがすがしいラストでした。
改悪点が随所に見られる
(2008-09-13)
シリーズ全体の講評とさせていただきます。
原作のファンとして、バルサやタンダが動いているところを見られるとは夢にも思っていませんでした。しかもProduction IGが手がけるという。
原作の絵や説明ではバルサは本当におばさんで、しわも結構目立ちスタイルもよくありません。アニメの絵では草薙素子そっくりの魅力あふれる「お姉さん」に仕上がっています。
キャラデザインや声優は申し分ないと思います。
ただし、キャラの性格づけはよろしくないです……
とくに狩人たち。アニメ版ではすごく頭が悪いように描かれています。それに個性が全くない。原作の彼らは馬鹿みたいに突っ込むような真似はしませんし、あまり描写されてはいませんでしたが、少ない描写の中でもしっかりと性格付けされていました。
同じことはバルサやタンダにもいえます。全体的に頭の悪いキャラになってしまっています。
アニメだと複雑な描写は嫌われてしまうのかもしれませんが、非常に残念な出来です。
製作者が原作の深い意味を理解できていないとしか思えません。
また、ストーリーも全体的に変更されています。
原作回帰の珍妙な意見だととられるかもしれませんが、アニメしか見ていない方は小説もぜひ読んでみてください。
全話見終わって
(2008-07-09)
の感想ですが、基本的によくできています。声優も安心して聞いていられる
人ばかりで、設定もまずまずでしょう。当然小説とアニメは違いますからその差については別にいうことはありません。ただ、アニメについては何カ所も
気になるところがあって、ヒトコト言いたくなりました。
まず、バルサの腕を確かめるために無造作に宮の衛視を使ったところ。
(よほどの忠臣でないかぎり必ず噂になり傷ついた本人には恨みが残る)
刺客として放たれた影が、水田の中を走ったりしたこと。
(まともな剣客が足下の悪い所に不用意に踏み出すはずがない)
冒頭から出てくる水田や街道ですが区画がまっすぐで不自然。
(すべて人力で作るため、自然の傾斜や地形に合わせてしかできないので
道路も水田も必ず曲面でしか作れません)
そもそも新ヨゴ王国は平地にあるわけですから水田は全て平地に作り、
傾斜地は畑作になるのが普通。
手傷をおったバルサが街道の真ん中で倒れるところ。
(用心深いバルサならせめて獣道や茂みの中へ倒れるでしょう)
殺陣はいいけど、そこに至る基本がわかっている人がいなかったのかな?
水車小屋を借りるのに本人が大金を支払うところ。
(田舎ほどよそ者が目立つところはなく人の噂になりやすい)
そもそも短槍を持った女(しかも異国人)など、非常に目立つ存在で
町中や村で隠れて暮らすこと自体不自然で不可能。
卵の孵る日を春分にしたため、夏至祭りとの関連性に意味が無くなったこと。
特に残念なのは、最後にラルンガを見せすぎたために、ただの怪獣退治のお話になってしまったこと。
国王の刺客として影の仕事をしていたはずの8人衆が、話が進むにつれて
表に出すぎてしまうのも鼻白む。
原作ではチャグムが主人公だったのに、アニメではバルサが主人公となってしまったことは仕方がないか…
個人的にはナユグとサグの描写にもっとメリハリをつけて
世界の不思議さが見たかったな。
設定や脚本に民俗学や時代劇の知識が乏しかったのが、残念。
ささいなことのようでも、世界観が破綻してしまう設定や脚本は
ごめん被りたい。
感無量
(2008-06-25)
地上波放送の3話「死闘」の物凄いアクションに一気に引きずり込まれ、怒涛のDVD一気買いから1ヶ月、
待ちに待った最終巻!時間をあけて見るクライマックスは待ちすぎた為あっけない感もありましたが、
始まりの時と同じく皆各々の道に散っていく最終話は感無量!ここからまた物語が続いていくのですね。
この後は、全話見終わってから読もうと決めていた原作本で、また一からバルサ達の旅についていきます。
DVD1枚に2話収録で高値ではありますが、収録量を抑えただけある驚異の高画質・高音質。
丹念に描き込んだ素晴らしい美術、アニメーターの技量に感服する動画、重厚で胸ゆさぶる音楽。
全て存分に堪能できるこのDVD、ブルーレイ商品と比べても引けをとりません。是非是非お試し下さい。
物語は終わり、新たな道がひらけゆく……
(2008-06-25)
最終巻は、第25話「宴」と第26話「旅立ち」。
約一年にわたるDVDリリースもこれで終わり。
彼らにとって、ひとつの物語は大団円を迎えるが、
それぞれにとっての新たな道がひらけゆく……。
このシリーズは、原作にはないオリジナルエピソードも破綻なく加えられて
全体を通しての物語構成もよく練られたものだった。
民放ではなかなかできないことかもしれないが、さすが親方NHK。
最後まで高い映像クオリティと演出を維持してもらえて
視聴する者としては大満足!
未見の方は、ぜひとも全篇とおして視ていただきたい!
きっと充実したひとときが過ごせるはず。
脚本・演出・配役の三拍子が揃った稀に見る素晴らしい物語である。
いわゆる「ジャパニメーション」として海外へ紹介していくのなら
こういう作品をプレゼンテーションしていくべきである。
和の魂、ここに極まれり!