死と呼ばれる刈入れ人
(2008-05-25)
アン・シャーリーを演じる山田栄子さんと主役オーディションで最後まで競った方は島本須美さんなのだそうです。山田栄子さんのひたむきな演技が印象深いのですが、島本さんのアンも楽しかったのではないでしょうか。レイアウトを14話迄担当していた宮崎駿。「カリオストロの城」制作のためアンを降板します。そして、島本さんは代表作でもあるでクラリスにキャスティングされたのです。次回作ナウシカにも繋がる出会いでした。
47話『死と呼ばれる刈入れ人』では、山田栄子を初めとする声優たちが号泣した為、アフレコが度々中断したそうです。その為、47話のラストは山田栄子さんの名演が際立つ結果となったそうです。シリーズを通して「成長するアン」を演じた山田さん。マリラ役の北原文枝さんにとても可愛がられていたそうで、放送終了後事故でお亡くなりになられた時はとても悲しかったとコメントされていました。山田さんにとってデビュー作であり忘れることのできない代表作なのだそうです。世界名作劇場「赤毛のアン」メモリアル・アルバムという書籍が河出書房新社から出版されています。こちらも機会がありましたらご覧下さい。山田さん、高畑監督、井岡美術監督の美術ボードも新規収録されています。2008年5月現在では取り次ぎ可能ですよ。
アンのファンだという人にスタジオカラーの庵野秀明監督。エヴァ新劇場版の監督です。
特務機関ネルフのマークにちょっと引用しています。 下に半円形で配置された文章は「GOD'S IN HIS HEAVEN.ALL'S RIGHT WITH THE WORLD.」日本語に訳せば「神は天に在り、世はすべてこともなし」という意味です。
プライスでは文句なし。アンの成長とそれを見守った心優しい人々の物語です。たくさんのみなさんにご覧いただきたいアニメーションです。2008年6/20には「赤毛のアン」の切手も発売されます。
図柄は名シーンとともに成長するアン・シャーリー、ダイアナ、ギルバート、愛すべきマシュウとマリラです。台紙のイラストはこのBOXと同じアンの待ち姿です。お近くの郵便局でお確かめ下さい。
アンこそすべて
(2008-05-14)
申し訳ないが「奧様は魔女」世代なのでどうしてもエンドラの顔が浮かんでしまうのがまず難点。声色も全く一緒だし、この人はイジワルな役以外やっちゃいけないと思う。それに主題歌が非力というか平凡だ。一度耳にしただけで心を奪われてしまう圧倒的迫力を持つハイジの主題歌や(これは歌詞も非常にうまい)、暗い情念がどうしようもなく漂うセーラの主題歌や、結末を知っているだけにその明るさが悲しみを倍加させるフランダースの犬の主題歌などと比べてみるといい。
だが、原作のすばらしさ、原作に忠実な作り方がそんな小さな不満をすべて吹き飛ばす。アンがすべてなのだ、この話は。しかしアンの魅力というのは不思議である。客観的に見ると、アンはわがままでうるさくて一方的で短気で頑固なマセたガキンチョでしかないし、お世辞にも美人でもない。もちろん赤毛が魅力的だってわけでもない。こちらがちょっとした失言でもしようものなら数年間は無視されそうだ。それがどうしてこんなに魅力的なのか。一つには全く陰湿さがないことによるのだろう。ネチネチ嫌ったり怒ったりするのではなく、アンは実にスカッとキッパリ怒る。そして自分が悪いとわかると一転してきちんと謝罪することもできる。さらに不幸だった幼いときも、アンはその不幸を単に嘆いてはいない。単に屈伏していない。運命を受け入れながら、想像力でせいいっぱい反抗するのである。そしてアンは自分の過去を無理に意識的に忘れようとしないし、ひた隠しにしようともしない。これはアンが運命に負けなかった証拠である。大抵の人間にはそんなことはできない。だから、アンが魅力的に見えるのだろう。
名作劇場の中でもトップクラスの傑作!
(2008-03-30)
まず主題歌がすばらしい。オープニングもエンディングも、曲、歌詞、映像と、原作の雰囲気を見事1分半に収めている。
そしてキャラクターデザインと声優さん達のはまり具合も、日本で制作された日本語のアニメなのに、これ以上はないというぐらい原作にピッタリである。プリンス・エドワード島の背景も丁寧に描き込んでいて、古き良きたたずまいが自然である。要するに世界各国の人々が見ても共感できる世界観なのである。
特に秀逸なのは、1話1話の時間の流れ具合である。第1話の駅に降りたアンがマシュウを待つ場面で、とてもゆったりと時間が進んでいて、見ている方もいつしかアンの気持ちになってしまう。他にも、時間の経過が登場人物の心理を表現している場面がたくさんあり、めまぐるしく物語が進む今のアニメでは絶対にあり得ない時間の使い方がが時代を感じさせる。
他の名作劇場にくらべて台詞や場面展開もほとんど原作に忠実で、アニメを見た後には必ず原作や、その続編を読みたくなる。そのくらい誠実な制作態度に感心させられる傑作である。