マフィアはつらいよ
(2008-02-22)
本作は、少年期からマフィアの世界に足を踏み入れたヘンリー(レイ・リオッタ)の半生を追いながら、
一般社会と「文法」の異なるマフィアの日常を描くものです。
格やメンツを大事にしながら、賭博・強盗・麻薬などのビジネスを展開しつつ、
愛する妻子を養い、別腹で愛人を囲う。
刑務所に入っても特別待遇で、苦労したためか料理はお手の物。
ボスを頂点に絆は固いが、はみ出したり出過ぎたまねをするとバラされる。
エリック・クラプトンをはじめとするメロディが妙に明るく流れるなかで、
庶民の想像を絶する日常が進行しているという描写が、実に面白いです。
たしかに、600万ドル強奪などのビッグ・イベントもあるのですが、
スコセッシ監督が描こうとしているのは、
あくまでマフィアの衣食住=日常であると感じました。
さて、ヘンリーとともに主に描かれるのが、
人懐っこい笑顔と裏の顔とのギャップが印象的なジミー(ロバート・デ・ニーロ)と、
マシンガン・トークとキレると止まらないチビのトミー(ジョー・ペシ)です。
特にペシの演技がすさまじいなぁと思っていたら、
本作でアカデミー助演男優賞受賞とのことです。
素晴らしいカメラワークが堪能できる
(2007-12-31)
近年めっきりボルテージが落ちて駄作連発のスコセッシですが、この作品は傑作です。演技、音楽、撮影、編集が素晴らしく印象的なシーンがいくつもあります。
特にお気に入りはレイ・リオッタが彼女とデートする場面と、「レイラ」のメロディに乗せてルフトハンザ事件の共犯仲間の死体が次々と発見される場面です。前者ではカメラがレストランの裏口から入る二人を追いかけながらの移動撮影で二人が席に着くまでをワンカットで観せてくれます。後者では冷凍車の扉が開き凍りついた死体にカメラが寄って行く動きがまるで浮遊しているみたいな感じで、この二つのシーンは何度も観てしまいます。 スコセッシの演出技術の集大成といったところでしょうか。
出演者も魅力的で、レイ・リオッタはこの作品では魅力的で将来、主役を張れるかな?とも思ったんですが、その後は変質者的な役ばかりになってしまいました。ジョー・ペシはオーバーアクトなんですがこの役の場合は、それが不自然にならず好演でした。大御所ロバート・デニーロはこの作品のように脇に廻った時や軽めのアクション映画に出ている時はいい仕事してるなと思います。