妙な見応えあります
(2008-06-13)
怪人ドナルド・サザーランドにバルカン星人レナード・ニモイ、蠅男でジュラシック・パークなジェフ・ゴールドブラム。そして妙にリアルな演技が光るエイリアン助演女優のベロニカ・カートライト。
主演女優ブルック・アダムス以外の登場人物の全てが外宇宙からやって来たような顔だちの俳優陣で固められています。
本作はサスペンス映画の傑作ドン・シーゲル版『ボディ・スナッチャー』と比較され酷評を受け、しばらく黙殺されてましたが監督のフリップ・カウフマンが『ライトスタッフ』で大成功すると再評価されるようなりました(嘘)。
制作された1978年といえば空前絶後のSF映画ブーム。『スターウォーズ』や『未知との遭遇』の成功で既にSF映画はファミリー向けエンターテイメントというボリュームゾーンといえる市場に躍り出ていたので本作のような現実社会への侵略サスペンスという旧態依然のSF主題は映画消費者に反動的な作品に見えました。
チープな印象の本作ですが実際は丁寧に撮影されてます。ちゃっかり人間もどきになりすますベロニカ・カートライトの微妙な顔だちは優れて映画的かと感じるし、そのあたりフリップ・カウフマンはちゃんとした映画監督だなぁと嬉しく思います。
映画として退屈しないし、この価格なら“買い”でしょう。 クライマックスをCGによるスペクタクルに委ねる昨今のSF映画に食傷気味の方には特にお勧めしたい作品です。
現代文明批判?
(2008-05-26)
本作は、同一原作から4度!にわたって映画化されたもののうちの2本目に当たります。
ちなみに最新のリメイクは、ダニエル・クレイグ&ニコール・キッドマン主演の、
2007年作「インベージョン」だとのこと。チャンスがあれば見比べたいものです。
筋はというと、密やかに人間社会を乗っ取っていく地球外生命体の不気味な動きと、
それに対抗して絶望的な戦いを繰り広げる2組のカップルといったところです。
1978年作ということで、特撮はいかにもしょぼく、
また夜の場面が見づらいという難点が残念です。
後半からエンディングに至る展開も、個人的には嫌いです。
ただ、おそらく原作や本作品の底流には、
現代社会で価値観が画一化していく我々に対する、
鋭い批判精神が宿っているようでもあり、考えさせられます。
隙を見せて惰眠をむさぼっているうちに、個性を失い、「人間」でなくなってしまう…。
仮に上記のような批判精神が込められているのなら、それなりに見応えがあります。
また、戦いを挑む2組のカップル、すなわち、
マシュー&エリザベス、ジャック&ナンシーの愛と別離は、
見ていて切なくさせられます。