なぜ、アカデミー賞?
(2008-02-18)
クラリスとレクターのやりとりは何だったのか。長すぎますよね。レクターが逃げるくだり、不可能事の連続でしたが、本筋の捜査となにか関連があるんですか。意味がわかりませんでした。
FBIは見当はずれな場所に踏み込みますが、それだって確たる根拠があってのことではありませんでした。そして、成果をあげたわけでもないのに、上司はクラリスの貢献をたたえている。三文小説みたいな安っぽさです。
クラリスは最終的には犯人にたどりつきますが、地道な捜査を積み重ねてのことではなかった。時間に制約がありますから、ご都合主義もいいですが、それなりに説得力がないとね。クラリスは実習生です。勝手にというか、権限外のことばかりしていませんか。
レクターの主治医のチルトンもひどい。最後にもなにか無意味なことをわめいていました。見かけの豪華さと裏腹に、つじつまの合わない、分裂症的な作品だった。
殺人鬼対プロファイラーを描いた頂点でもあり原点。
(2008-01-20)
犯罪物は好きでも猟奇殺人がテーマとあって劇場には足を運べなかった。後になって恐々と見た。あまりの出来の良さに驚いた。本作は異例のアカデミー賞受賞作でもある。大抵アカデミー賞狙いは年末ぐらいにアメリカで公開されるがこれはアカデミー賞の前年の夏公開であること。そしてテーマが猟奇殺人を扱っていることなど。
オープニングのシーンからこの作りは、ただの猟奇殺人ものではないと思わせた。クラリスがセリフもなく黙々とトレーニングコースを走って障害をこなしていくところである。スタントなし。演出・撮影・編集とても良い。そして射撃練習のシーン。わずか数秒とは言え発砲シーンでは目を閉じてない。「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンは引き金をガク引きしていたり目を閉じていたりとガンマニアでは話題になった。
現場へ向かうシーンでも上司と話している最中に車がトンネンルに入っていくのも暗示的。容疑者宅での引きつるような愛想笑い。いよいよ容疑者との対決でもまずコートを脱いでシャベルをドアに立てかけるところも、S&W M10で6連射してもすぐ弾込めをするシーンもとてもリアルな出来だ。放たれた銃弾によって開けられた窓には横たわる小さな星条旗。深読みすればきりがないほど。
後のサイコ・スリラーに与えた影響大
(2007-12-08)
この作品のレクター博士は、後の日本の小説・漫画・TVドラマに与えた影響
は計りしれません。
元犯人で天才学者かつ現在、獄中にあるという設定は、ほぼこの作品の影響です。
この話の面白いところは、本筋であるはずの事件と、その犯人探しが実はサブストーリーで、
メインストーリーは、それを解決するために会ったレクター博士との駆け引きです。
この映画が、後のフォロワーが追いつけないのは主演2人の演技力と存在感。
ジョディ・フォスターの自然な演技とアンソニー・ホプキンスの重厚な演技。
監督がヒロインの目線で描いたこと。(このヒロインは漫画チックに強くない)
心理描写に重きを置いたため、題材は猟奇殺人だが残酷描写は脇役である。
などで残酷描写主体のチープな映画とは一線を画しています。
サスペンスのファンならば一度は観て下さい。
ふたりの競演に、一期一会の妙を感じる一本
(2007-12-05)
FBI訓練生クラリス・スターリングを演じたジョディ・フォスター(当時28歳)と、偏執狂的、天才的な凶悪犯ハンニバル・レクターを演じたアンソニー・ホプキンス(当時53歳)、ふたりが放射するオーラに引きつけられた作品。そのオーラは、孤高の魅力とでもいうべきもの。なかでもふたりが対峙し、言葉を交わすシーンが凄かった。ふたりを隔てているガラスがぴしぴし割れるような、何か精神波動砲みたいなエネルギーを感じましたね。ただならない緊張感に圧倒されたことが、未だに忘れられません。
また、レクター博士とクラリスとを結ぶ師弟関係のようなもの、良きパートナーを得た心の繋がりみたいなものが感じられたのも印象的。誰にも心を開かずにいたレクター博士が、皮剥ぎ事件の捜査で対話していくうちに、クラリスには人間的な関心を抱いていく。師匠が愛弟子に寄せるような感じで、彼女の知性と感情、意志の強さ、勇気に心惹かれていく。ハンニバル・レクターという孤高の精神が、束の間見せた人間的な側面。それが、なかなか巧く描けていたのではないでしょうか。
作品のメイン・プロットである皮剥ぎ連続殺人事件よりも、アンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターの研ぎ澄まされたように鋭利で、孤高の存在感にインパクトを受けましたね。ふたりの競演に、一期一会の妙を感じる一本。
殺人犯レクターとの行き詰まる心理戦。
(2007-11-10)
猟奇事件解決のためにレクター博士とFBIクラリス訓練生との心理戦の駆け引き。
次々とおぞましい展開には眉をひそめますが、続きが見たくなるんですよね。