ドキュメンタリー
(2007-12-02)
アアルトの講演会が建築を志すきっかけになったとは、知らなかった・・・
ゲーリー自身、「自分の建築とアアルトの建築は一番似ている」と言っているが、あまり納得いかないなー。
あの独特な造形と金属の外壁は、やはり「光」か・・・
その常に移り変わる光を表して「建築は生き物のよう」と言っていたのは印象的。
いずれにしても、ゲーリー建築は一度体験してみたい。
建築家に関する映画ということで、どうしてもカーンの「マイ・アーキテクト」と比較してしまうが、残念ながら本編は映画というよりも、ドキュメンタリー番組の域を出ていない。
一つの作品集を見たという感じで、ゲーリーという人間と作品の表面部分の描写に終わってしまった感が否めない。
第一線で活躍中の建築家をネタにすること自体、無理があるようにも思うが。
前衛建築家の普通
(2007-11-26)
彼の建築に関心を持ったことはないのに、フランク・ゲーリーそのものは興味深い。
絵画や文芸と違い、明確に施主を必要とする建築の領域で前衛であり続けることの困難さを読み取るフィルムかと思ったが、裕福ではなかった少年時代や建築家になる前に運転手をしていた時代を語る姿勢は成功者が苦しい時代を語る際のある種の尊大さからは程遠く、拍子抜けするほど陽気で淡白だ。常に前衛的であるためには、構造解析の知識・技術に長けていなければいけないという当たり前の事実にスポットを当てているのも地味だが説得力があるし、彼に批判的な意見も紹介しているのは好感が持てる。
建築よりも人物とのマッチングを考えたような音楽もとてもいい。
ラスト近く、フランク・ゲーリーを批判するのは、虎の首についたハエを殺すようなもので、あるいは"地獄の黙示録"を観ておいて、ロバート・デュヴァルを批判するようなものだ、とジュリアン・シュナーベルが不思議な口調で言うように、好き嫌いを超えて評価することが難しいこの建築家を上手く伝えているフィルムだと思う。