一級のエンターテイメント歴史もの
(2008-04-14)
歴史学者の作品を原作としていてほとんどが史実の積み重ねなのにもかかわらず、
映画としても一級の面白さを保った名作。
(ただし歴史的に異論の多い点でも一通りの解釈しか取り上げられていないが、
劇映画作品としてはこれを欠点とは言えないだろう)。
特に開戦までのカウントダウンを刻々と描いた部分は、結果がわかっているにも
かかわらず観ている方もついドキドキしてしまうという傑作サスペンスでもある。
クライマックスの戦闘場面も、画面が最近の巧みなCG映画と比べても全く遜色
ない出来映えであるうえに、シーンの積重ね方が素晴らしい。
そして乾坤一擲の奇襲を掛けようという最前線の指揮官の姿が、騙し討ちをした
卑怯者でなく一人の軍人としてキチンと描かれていることに日本人として感動
してしまう。米国の偉大な側面を見せつけられる思いがした。
(全体的に、米国公開バージョンにもかかわらず、日本人が公正に描かれている)
日米開戦の歴史映画
(2008-04-11)
個人的にWW2の映画としては「史上最大の作戦」と並ぶ最高傑作だと思います。
戦争回避にギリギリまで期待を寄せる山本五十六とそれに反して戦意バリバリの日本兵。
南方進出に色気を出す日本の上層部。
戦争という実感がイマイチ沸かない米軍のトップと危機感に駆られて
自分なりに行動する最前線の人間達。
そして真珠湾攻撃へと雪崩打っていく歴史。
米軍も日本軍も鏡あわせで戦意の高揚が慢心につながり、あるいは真珠湾の打撃が
反撃へのパワーにつながっていく予感を残して映画は幕となります。
政治のマクロの部分から攻撃後のハワイの日系人の少年の運命の予感まで描かれるのは
スゴイの一言で戦争映画というよりも日米開戦の歴史映画に近い創りになっています。
あとあまりレビューで書かれていませんが戦後25年過ぎた当時には
まだ日米にも戦中の町並みが残っていましてその上を実際に飛行する戦闘機や
真珠湾上空を飛行する米哨戒機は近年の映画では見られないリアルなもの。
真珠湾攻撃の為にハワイを侵入するゼロ戦の下で
黙々と農作業をしている日系移民の姿が非常に印象的でした。
たぶんCG編集ではここまでのリアル感はでないでしょう。
危機管理と慢心の戒め的な映画でもありますので是非視聴する事をお勧めします。
うまいなァ、実感がひしひしと伝わる
(2008-03-06)
この作品と「パールハーバー」の2枚一度に買って見てみた。パールハーバーは米軍の2人の有名パイロットの恋愛物の感が強く全然面白くなーい、腑抜けである。トラトラは凄く面白い。戦争の暗さは微塵も無い。勝利をひたすら願う研ぎ澄まされた日本男児の心意気がひしひしと伝わってくる。時代錯誤と言われるかもしれないがそこには「美」意識すらある。今の時代にも欲しいくらいだ。日米合作だが日本側に力が入っておるようだ充実感満点。しかし上手く作ってある。戦争経験の全く無い私が感動して見れた。戦争の或る一面だろうが確かに「攻撃」はあったし、正にかくなるものだったという実感が理解できる。最後に大事な一言。これが引き金となって最終悲惨な原爆に至ったと言うのは間違いだった。ドイツが無条件降伏で世界戦争は実質終わった後、アメリカは出来上がった原爆を試したくて実験として原爆を落とした事が最近判っている。
日米公平な視点に立った最高の映画です。
(2007-12-10)
40年前この作品は、当時興行的には大失敗でした。
それは、アメリカで製作された映画にもかかわらず、
ほとんど日本の攻撃シーンばかりだからです。
しかし今、思わぬ所から注目をあびることとなります。
それは映画「パールハーバー」の登場です。
アメリカの偏見に偏った「パールハーバー」の出来は
興行的には大成功しました。
しかし本当の真実が描かれていないのです。
無情な日本人がアメリカ人を殺す。
残虐で卑怯な先制攻撃は、なぜ起こったのでしょうか?
それは、この映画の中で全て描かれています。
監督が誰であろうと戦争映画として秀作
(2007-09-22)
黒澤明監督が降板したことで有名な映画ですが、そのことがこの映画の評価を不当に低くしている感があります。よく言われるのが「もし黒澤明が監督していればもっと素晴らしい作品になったであろう」ということですが、それはそうなんだと思いますが、もともとアメリカ側の演出はフライシャー監督(企画段階ではフレッド・ジンネマン)だったし、脚本も当初の黒澤版の脚本を使用しているので、おそらく実際に出来上がった映画と大きな差はなかったのではないでしょうか?
ハワイ上空を飛ぶ戦闘機、大迫力の戦闘シーン、山村聰、田村高広の好演、千田是也(近衛文麿)、内田朝雄(東条英機)のそっくりぶりなど純粋に一本の映画としてみれば一級品だと思います。この映画から30年たってから作られた映画があのアメリカ万歳の低脳映画「パール・ハーバー」であることを考えると、今のアメリカという国の愚かさがよく判ります。DVDにはオーディオ・コメンタリーとしてリチャード・フライシャー監督と邦画通の解説者が対談しており、当時の裏話がいろいろ聞けます。本当はもっと特典のいろいろ付いた特別版が出ると嬉しいんですけどね。