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脱・西部劇 (2007-09-07) 時代はシェーンと同じ頃。最初と最後の美しい夕焼けのシルエットと、老いたイーストウッドが、 落日の西部を印象づける。誰が悪人で誰がヒーローかなどということはこの西部劇では意味をなさない。 たしかに相棒のモーガン・フーリマンはかつてはともかく、今は善良そうな初老の黒人で、 一方彼を殺してしまう保安官のジーン・ハックマンは、途中でも無抵抗のリチャード・ハリスを 残虐にたたきのめすシーンがあって、その狂暴性を強調しているのだが、 しかしそれも保安官として町を守る使命に燃えているからに過ぎない。 人殺しがなんでもなかった時代と、人を殺すことが犯罪となった時代の、 ちょうど区切りの時代が舞台なのである。最後のイーストウッドが 町中の人間を脅しにかかるシーンはなかなかすごい。人殺しを重ねてきた人間の肝っ玉に、 人を殺すことが犯罪となった時代の人間たちはたじたじとなってしまう。 爽快な西部劇ではない。こんな時代があったのだという年代記風の西部劇である。