ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
問題提起としては面白い (2008-03-30) 本作は、中東イエメンでの作戦行動において、 交戦法規を犯した責任を問われたチルダース大佐(サミュエル・L・ジャクソン)が、 ベトナム戦友のホッジス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)を弁護人に立て、 軍法会議にて自身の正当性を訴えていくというものです。 本作が実話に基づいてないという前提で申し上げますが、 イエメン関係の描写に大いに疑問を感じます。 本件の前提となる国際情勢は何なのか? イエメン人が横暴で危険な存在として描かれていないか? そもそも、狙撃者から狙いやすいお粗末な建物に、 塀すらろくにないアメリカ大使館が置かれることがありうるのか? これらの点の現実性について、終始疑問を感じっぱなしでした。 さて、本来国際問題として論じられるべき本件は、 一気にアメリカ国内の軍法会議に矮小化され、 アメリカ政府内部の駆け引きという形で描かれていきます。 たしかに、チルダースが明確に象徴する軍の論理と、 交戦法規や人命尊重という要請の間のジレンマは考えがいがあるのですが、 あまりに手前味噌な決着のつけ方には、正直疑問を感じずに入られません。 真相はというと、わかり易い悪役や裏切り者がいたり、 映像のトリックというべきか、事件の描かれ方が変化していくため、 それなりに正義が実現しているように見えます。 しかし、軍の論理や情が幅を利かせている点については、 アイロニーとしては面白いが、違和感はぬぐえないといったところです。 蛇足ですが、ベトナム戦争を「水戸黄門の印籠」みたいに使うのはやめてほしいです。 アメリカ人にしか通じないのでは?