日本が世界からどう想われているのかをリアルに知ることができる作品
(2008-04-24)
中国とイギリス、アメリカ、そして日本。戦争という接点を通じて、それぞれの国の人々の人間性を露呈するスピルバーグ監督の手腕に拍手。自伝的小説なだけにダイナミックな展開こそないものの、叙情的でしたたかながらも悲惨で過酷な戦時中の日常を垣間見れる作品になっている。
いくつものシーンで、日本人の残酷さやしたたかさの裏に、涙ぐましいまでの優しさがあることをスピルバーグは解いている。日本という国の狂気は、組織から生まれるのではないだろうかという疑問を感じさせる。このストーリーの中では、天皇陛下への神格的な崇拝を、その原因として取り扱っている。
リアルな戦闘シーンは、スピルバーグの傑作「セービング・プライベート・ライアン」に通じるところがある。非常にショッキングな映像だが、これが戦争の真実かと想うと心が痛む。
戦争の狂気を通じて、世界人類をを鳥瞰したような気分になる、貴重な作品といえよう。
何故にスピルバーグ作品なのに扱いがマイナーなのか
(2007-12-10)
公開当時も正月の超大作として公開されていたし、日本側からの俳優も大勢出演しているのに、何故かスピルバーグ監督作品としては「1941」と並んでマイナー扱いされている本作。確かテレビ地上波でも全国区のゴールデンタイムの映画劇場などでは今までに一度もオンエアされていない。今や個性派俳優として地位を確立したクリスチャンベールのデビュー作でもある。もっと取り上げられてもいい作品だと思うが。