やっぱり劇場で見たときより画質がいい。HDは凄い
(2008-09-17)
外資系配給会社のケチ臭さは昔からで、ヒット作になると系列劇場でないところにはデュープにデュープを重ねたプリントしか回さないので、たまにボケボケ画像のものに劇場でもぶち当たることがままある。この作品もそうだったので本当にガッカリで、ただでさえ大傑作「インファナル・アフェア」の焼き直し、それもどう見ても改悪としか言いようがないヒドイ出来だったから、当時の評価は★1つ。ところが、このHDの画質は目が覚めるようで、劇場よりも高画質なのにまず驚き呆れた。すると不思議なことに、内容そのものの評価も変わってくるのだ。別に大傑作の「インファナル」と比べる必要はないわけで、これはこれで独立した映画としてたいへん面白い。導入部のドキュメンタリー画像から始まり、ボストンという土地柄と米国ならではの人種対立の観点を徹底的に突き詰めた点が何といってもユニークなところ。しかもニコルスンが演じる人物は実在のアイルランド系マフィアをモデルにしているというのが驚愕で、それをイタリア系のスコセッシが撮っているのが興味深いところ。多少の誇張はあるのだろうが、アイルランド系マフィアとFBI(連邦警察)がつるんでいた、というのがこの映画のオチだが、それはイタリア系マフィアを壊滅するためだったであろうことは容易に察しがつく。国家権力と地元警察、敵味方入り乱れての多層的潜入戦になるところは「インファナル」との決定的な違いで、その分、わかりにくい難点はあるだろう。マーク・ウォールバーグの刑事が一番のもうけ役で「インファナル」にはないキャラクター。最後の、刑事らしからぬ復讐が効いている。
「DEPARATED」という意味
(2007-12-29)
「インファナル・アフェア」とどうのこうのと、あえて比較論をしても
しょうがないと思います。
この映画のテンポがとても気持ちよく、そしてレオナルド・ディカプリ
オ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバー
グ、マーティン・シーン…この役者たちが、各々の持ち場をしっかり押
さえていることが、こんなにすばらしいと思えるのがまた心地よい。
監督のマーティン・スコセッシが描くヒューマンネイチャーを、ディカ
プリオもディモンも本当にかっこよく固めているけれど、この映画をも
っとも、映画らしく、痛快にしてくれているのが、ジャック・ニコルソ
ンである。やはり彼の迫真の演技に勝るものはない。
そして、ストーリーもさることながら、これだけ最後の最後まで楽しめ
るなんて、本当に楽しいと思う。正義はどこにあるのか?考えながら、
DEPATEDの意味を、ひとつだけではなくふたつもみっつも辞書に載ってい
る意味を…すべて取り込んだ非常に面白い映画です。
もう一人、ヴェラ・ファーミガも好演しています!
最後まで目が離せない展開
(2007-07-14)
2時間以上の映画ですが、テンポ良く進み、時間を感じさせない映画でした。
主人公を取り巻く環境が大変複雑で、その背景の人間関係が妙に絡み合うサスペンス仕立てのストーリーです。
ギャングと警察の攻防が巧妙に出来ていて、先の展開が気になる内容でした。
ギャングの暗部も明確に出し、主人公を演じるディカプリオが潜入捜査官として心理的に追いつめられる様は
うまく作られていると思います。
脇役も存在感があり、大変見応えがありました。
個人的な意見ですが、映画の内容として、大変面白かったのですが
マット・デイモンとマーク・ウォルバーグが顔のタイプが似ているせいか、区別がしづらかったです。
忘れがたい、切ない映画
(2007-05-03)
私はレオナルド・ディカプリオのファンである。
そして監督のマーティン・スコセッシの作品も好きである。
当然ながら公開を楽しみにし、観た。
ずっとハラハラし通しだった。
この作品の元になった『インファナル・アフェア』も観たけれど、全く別の味わいで それが良かった。
違うからこそ、いいのだと感じた。
全編を通して、ずっとどんよりとした曇り空の下で物語が繰り広げられた、という印象を持った。
明るく心温まるシーン、という印象は全く残らなかった。
ただただ潜入捜査官であるビリー(ディカプリオ)が痛ましく、なんとか救い出してあげたいという思いに駆られた。
彼の苦悩する姿は、演技をもはや超えている。
リアルで、せつなさや不安や恐怖、そしてある種の使命感がダイレクトに伝わってきた。
ディカプリオ、本当に素敵に成長したものだ。
最早、彼は『TITANIC』の頃のアイドル的な存在ではなく、完全に演技派俳優だ。
天使の顔と悪魔の顔、光と闇、相反するものを持ち合わせたキャラクターを演じさせたら、彼は超一流だと思う。
脇を固めるマーティン・シーンやマーク・ウォルバーグは存在感があり、とても魅力的だ。
特にラストシーンでのマーク・ウォルバーグは、最高にカッコイイ。
悪役であるジャック・ニコルソン、マット・デイモンも、まるで地であるかのように“悪”を演じきっている。
それぞれの俳優たちが、それぞれの登場人物の信じる“正義”、或いは“未来”を、
それぞれにギリギリのところで生きていて、それが交差してゆく様はリアルとしか言いようがなく、見事だと思う。
織り込まれる小さなエピソード…沈黙を守ったギャングの一員や、セラピストとの恋愛も切なくて忘れがたい。
幸せなストーリーとは決して言えない。
派手なCGや、とんでもない爆発や事故や…そういうものも無い。
淡々と物語は進み、淡々とエンディングを迎える。
が、どんなに派手な超大作よりもこころに残る、いつまでも引っかかる作品である。