1980年代のアメリカ映画、或いは法廷ものの最高傑作の1つ
(2008-02-17)
主人公ギャルビン役のポールニューマン、彼の片腕となる弁護士、実は許しがたい魂胆を持つギャルビンに近づく女性、裁判官、被告側の弁護士、証言する元看護婦、揃いも揃って名演技である。演技であることすら忘れてしまう。田舎芝居、大根芝居が多い中で、間違いなく一級の作品である。
かつての栄光も過ぎ去り、食うにも困る初老の弁護士ギャルビン。場末のバーで一人ピンボールに興ずる姿はいかにも哀れである。しかもかなりのアルコール依存症である。
そんな彼が、あまりにも痛々しい医療事故の植物人間のケースに、その姿に直面した時、忘れていた弁護士としての矜持が蘇る。
しかし、相手方は協会をバックボーンとした病院、俊腕の弁護士事務所、財力、まったく勝ち目はない。しかも、有力な証人は相手方に篭絡された。八方塞の状況の中で、ギャルビンの行動力、知力が冴え渡る。かっこいいが、決して明るいヒーローものでない。等身大の悩み・苦しみの中で、1つずつ苦境を打破していく。
骨太の映画と一言で評してしまうのも気が引けるが、浅薄でないことは間違いなく、複数回の鑑賞にも堪えうる価値の高い作品である。
今年の最高傑作
(2007-12-29)
ポール・ニューマンの演技がすごいです
落ちぶれた弁護士になりきっています
内容は医療訴訟ですが病院の過失が問われます
カルテに改ざんがあったことを突き止めますが
証拠として採用されません
ポール・ニューマンは苦境に陥りますが
最後に逆転勝訴します
勝ち負けよりも医療事故に至った経過が大切です
日本でも米国でも裁判を行わないと真実は解明されないようです
ラストがしびれますね
(2007-10-27)
1982年のアメリカ映画です。ちょっと古い映画ですが
「笛を吹く」内部告発をするときに勇気に繋がる映画です。
裁判の判事まで含めて全員敵の時に、心を許した女性まで
敵だったと知って、それでも正義のために自分の信念を
守り通す役はさすがポール・ニューマンです。
最後の電話のシーンはしびれますね。
陪審員制度も悪くないと思える映画です。
さすがの演技
(2007-07-06)
ポール・ニューマンは良い役者だと思う。しかめっつらで台詞と台詞の間の微妙な間合いを取るのがうまいと思う。こういう演技で見せる役者は数多くない。この映画の役柄は彼にぴったりだと思う。挫折し,葬式で客を捜すうらぶれた弁護士が,次第に輝いていく。そして絶対に負けるとわかっている最後の最後で,彼の心が陪審員を動かす。正義という言葉は日本語でたった2文字だ。英語でもたった7文字だが,とても大切にしなければならない言葉だ。その大切さをアメリカ映画はうまく描いてくれることが多いが,この映画もその一つだ。その中でも特に優れた作品だと思う。
これは「ハードボイルド」なのだ。
(2007-06-02)
いわゆる現在のアメリカ映画的な「感動できる社会派ドラマ」を期待するのは止しましょう。
これはそんな「軽い」ものではありません。
監督のS・ルメット、主演のP・ニューマン、ジェームズ・メイソンにS・ランプリング、J・ウォーデンといった「存在感」のある面子が織り成す物語は安易な感動を売りつけたりはしません。
巨大病院の医療過誤を巡る示談交渉を任された初老の弁護士が病院に対して孤高の戦いを挑むことで自己再生していく様はきれいに描こうとすればいくらでも感動的に作れる素材です。
しかし演出もニューマン氏の演技もそんな安易な方向に流されたりはしません。
ともすれば主人公の弱さや独善性すらもが見え隠れします。
もちろん「商業映画」ですから娯楽性を無視するようなことはありません。しかし譲れない線は決してゆずらない、気骨を感じさせる堂々とした「ドラマ」です。
あの鳴り続ける電話のベルに込められた苦味を含んだ情感は正にハードボイルドとしか形容のしようがありません。
お見事。