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硫黄島からの手紙 期間限定版 お気に入りに追加
クリント・イーストウッド
スティーブン・スピルバーグ
アイリス・ヤマシタ
出版社・発売元:

ワーナー・ホーム・ビデオ

媒体: DVD
ランキング: 4370
発売日: 2007-04-20
レビュー (Amazon.co.jp)
   1944年、陸軍中将・栗林が硫黄島に降り立った。本土防衛の最後の砦の硫黄島だったが、場当たり的な作戦と非情な体罰により、兵士たちは疲労と不満が渦巻いていた。ところが栗林は違った。アメリカ留学の経験があり、敵国を知り尽くした男は、体罰をやめ、島のすみずみまで歩き、作戦を練りに練った。そして米国が来襲。硫黄島は5日で落ちると予想されていたが、壮絶な闘いは36日間にも及んだ。しかし、その闘いで兵士たちは何を思ったか。それは61年後に掘り起こされた、出されることのなかった家族への手紙にしたためられていた…。
   クリント・イーストウッド監督の2部作『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』。本作は日本側から見た硫黄島の闘いを描き、そこで何か起こったのか、兵士たちは何を思って闘ったのか、本作では戦場での兵士たちの日常がつづられる。闘いは厳しく、その残酷さに思わず目をそむけてしまうシーンもあるが、戦争とは悲惨で残酷なのだと改めて思わせる。そしてその戦争の虚しさを伝えているのは、兵士・西郷と彼をとりまく若者たち。渡辺謙演じる栗林中将ではなく、主役は若い兵士たちというのは意外だったが、だからこそ、この映画は意味がある。この映画は栗林のヒーロー映画ではない。見る者は西郷の思いに共感し、彼に生き抜いてほしいと願う。硫黄島の闘いを象徴しているのは若い兵士なのだ。西郷演じた二宮和也は戦場でも自分を見失わないように懸命に生きる若者を、加瀬亮がやさしさゆえに挫折を味わう男を熱演し、伊原剛志は元五輪選手のバロン西を豪快に演じる。彼ら日本人俳優たちのアンサンブルは絶妙! しかし、いちばん驚くべきは言葉を壁を超えたイーストウッド監督の演出、さすが名匠、見事だ。(斎藤 香)

カスタマーレビュー

どうして日本人には作れない?  (2008-02-09)
 日本人がのんびりお涙頂戴映画から脱却できないからアメリカ人に先を越されてしまった。日本人として恥ずかしいです。「パールハーバー」や「SAYURI」とは雲泥の差の時代考証、当時の日本へのリサーチ。多少言葉使いが気になるもののもし全て当時の言葉遣いでやっていたら当の日本人にも理解しにくくなってしまっていただろう。アメリカ人の監督なのに平気でアメリカ兵が捕虜を射殺するシーンを入れたり、戦史やドキュメンタリーとしてではなくあくまで戦争で人生や人格を変えられていった人達を淡々と描きながら「衛生兵を狙え」とか海岸を兵と物資で埋め尽くしすまでわざと攻撃せず逃げ場を作らないようにしてから攻撃する戦争の非情さも忘れていません。イーストウッド演出には脱帽です。
 武器の考証も正確です。最も米兵を倒した武器といわれる「92式重機関銃」も大活躍。加瀬亮の使う94式自動拳銃も無骨な後期生産型でした。こういった考証のできる日本人がいないというのも変な話です。

どちらに正義があるわけでない昨今の世界情勢  (2007-11-03)
イーストウッド監督の息子のカイル・イーストウッドもなかなかいい旋律を奏でています。
お父さんも琴線に触れるいい曲を作りますが、戦争映画のサウンドトラックとして、
とても物悲しく感動的です。
「男たちの大和」の久石譲の旋律はいかにも日本人の心に訴えるものでしたが、
この作品もまるで日本人が作曲したような錯覚を覚えるほど情感がこもったメロディでした。

映画自体がとてもバランスよく描けていて、
どちらに正義があるわけでない昨今の世界情勢を見事に作品化しています。

戦争映画の名作として残ると思いますが、音楽も実に見事です。
シンプルなテーマもいいですが、
エンドタイトルのような武満徹をも思い起こさせるスコアも立派な出来でした。

二宮くん いいねぇ  (2007-10-06)
クリント・イーストウッド監督っていうのが、ちょっと不思議だった。
2万人もなくなった激戦の地。
見ればさえぎるものとてない不毛の土地。
その土地を死守することが任務の日本兵だが、
そのあとに続く海を覆うばかりの米艦隊の状態を見ればいかに無理な戦いだったかが象徴されている。
戦争さえなければ、互いに笑い会える普通の人間だったのに〜。
回想する思い出が、心を満たす。
「自分に正しいと思うことをつらぬきなさい。つらぬけばそれが正義になる」とは意味が深い。
皆、自分の正義をつらぬく。
場面の中で、投降した日本兵を無残に殺す米兵のエピソードを入れたのは、クリント・イーストウッドのどんな思いがあるのか聞いてみたい。
ちょっとおまけで☆4つ かなっ

映画らしい映画  (2007-10-03)
テレビドラマの延長のような邦画が増える中、久しぶりに
映画らしい映画を観たような気がした。残念なのは、これが
日本製ではなく、ハリウッド製であることか。

わざとらしい感動や人情を押し付けようとする邦画に比べて、
抑制をきかせながら描くべきところはしっかりと描いている
ので、テーマがよりリアルに胸に迫る。戦争によって生き残る
者と死ぬ者の差が何であるのか、そして人の死の重さを、深く
考えさせられる映画だと思う。

死を大袈裟に飾り立て「商品」にするしか能のない日本の
映画界には、是非この映画から真の「死」を学んでいただきたい。

どう戦争を終わらせるか、戦争とは暴力か  (2007-09-26)
 当時の日本の軍隊は、軍隊とは農業も工業も商業も労働もしない、国を守るためだけの非生産集団なんですが、非生産集団がいかに大事かはプロ野球を見て、勝ち負けに一喜一憂してはらはらどきどきして応援することを楽しみにしている人がいかにたくさんいるかを考えればよくわかりますが、その軍隊を十七個師団、約三十万人しか持っていなかった。そのうちアメリカの海兵隊に対等に渡り合えるのはせいぜい一個か二個師団でした。つまり日本は非生産集団を三十万人しか雇えない経済力しかなかったことになります。しかもその状態で日本は満州から中国南部の中国戦線から、インド、ニューギニア、フィリピンなどの南方戦線までの広大な戦線を抱えていて、しかもこの映画でも触れられているように、陸軍と海軍の対立は深刻だった。この事を知ってまずこの映画を見てもらいたい。
 まず二宮和也演ずる西郷には、当時の、報道とは違い、本音の部分で日本国民全体にあった厭戦気分とこれ以上戦争にかかわりたくないといった無責任さが投影されているように感じました。また渡辺謙演ずる栗林忠道陸軍中将には当時の新聞やラジオの報道と違う、上層部にあったこれ以上戦争を続けられない、美しくしかもなるべく良い形で戦争を終わらせたいといった責任にも似た気持ちを象徴しているように感じました。憲兵崩れの清水上等兵が憲兵のとき見回りをしていたときに上司にほえる犬を殺せずに、罰としてのように前線となり激戦が行われるであろう硫黄島に送り込まれる設定など当時の軍もしくは当時または現代の日本人にもある、いじめ体質を露呈しているようで、イーストウッドはどこでこんな話を聞いたんだろうと思うほど真をつかれたようでした。戦争シーンも暴力を包み隠さず、リアルに描くという意味で貫かれてそれはそれでいいと思います。

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