道徳の時間
(2008-07-23)
スカッとしたい時にオススメできない、毎朝の通勤ラッシュのような、有り難さと仮面の下の喜怒哀楽たちを突きつけられる、そんな名作。R35指定の道徳の時間。決して欠伸をしないで下さい…
皮肉社会アメリカが創った、超一流のアイロニー映画
(2008-06-08)
まさにTHE アメリカって映画であって、女性の自立が謳われた公開当時ならともかく
今の逼迫した現代社会の流れの中でみると、どうにもチッポケで、薄っぺらい作品なんだよな。
とにかくアメリカの描き方ってのは、必ず女性側に肩をもたせておいて、実のところ伝えたい
のは真反対の内容だったりする。僕は、このアメリカの精神風土を日本にもってくるのは
とても危険だと思う。この映画は所詮、父系社会のアメリカが作った皮肉にすぎない。
実際問題今の時代になればアメリカは、とうに男女平等を否定する側にまわってる。まったく
もって皮肉すぎる。これを感動作だなんて呼ぶ人間は、少し人間として生きる上での本当の
幸せについて見つめ直したほうがいい。そして日本はアメリカと逆の母系社会な所、そして
そうなれば必然向かうべき道ってのは、いっしょではない。
まあ、ただダスティン・ホフマンの情が滲み出るような演技を含め、俳優陣、演出の仕方は
さすがとしかいいようがないけどねー。
仕事人間だった父親と息子の触れ合いに感動し、生きがいを見つけるため苦渋の決断をした母親に共感、そして置いて行かれた息子の姿に切なさを感じる
(2008-03-12)
突然別れ話を切り出す妻ジョアンナ(メリル・ストリープ)。引き止めることができず、会社で重要な仕事を任されたばかりの夫テッド(ダスティン・ホフマン)はいきなり息子ビリー(ジャスティン・ヘンリー)の世話と会社での仕事の両立を迫られる。
仕事人間で子供の世話をしたことがなかったテッドは息子との人間関係と日々の家庭生活の送り方に四苦八苦する。その様子をダスティン・ホフマンがアドリブを交えた人間味溢れる完璧な演技でアカデミー主演男優賞受賞。このダスティン・ホフマンの演技が映画の一つの見どころではないかと思います。
仕事人間の父親が息子との関係に苦しみ、次第に理解し合い愛を築き上げていく様子に感動します。生きがいを見つけるために息子を置いて家を出るという苦渋の決断をしたジョアンナに共感し、置いて行かれた息子ビリーのさみしい様子に切なさを感じ、幼いその姿ににいとおしい気持ちになります。
テッドの生活の大変さや母親と息子の愛情に満ちた再会。またクレイマー夫婦の友人マーガレット(ジェーン・アレクサンダー)とテッドのお互い伴侶と別れた経験があるが故のストレートな言葉のやり取り。そして緊張感あふれる裁判などいろんな要素が詰まって見どころが沢山あり一言で素晴らしさを表現できない映画です。2度3度観ていろいろなことに気づいていける映画ではないでしょうか。
ダスティン・ホフマンの演技が秀逸
(2007-11-21)
夫のテッド(ダスティン・ホフマンさん)は家族のためと言いつつ、家庭を顧みずに仕事に没頭する。一方、妻のジョアンナ(メリル・ストリープさん)は自分の夢を捨てて主婦に徹した自分の人生を見詰め直すために家を出る。残されたテッドは、息子のビリーの育児と仕事の両立に四苦八苦しつつも、父親としての自覚が芽生え始める。そんな中、ジョアンナがビリーの親権を求めて裁判を起こす。法廷ではどちらが親として相応しいかが焦点になるが、その過程で子供にとってはどちらも大切な存在あることに気付かされる…。
本作のラストではテッドとジョアンナの2人の関係が今後どうなるのかをあえて曖昧にしており、このことが作品にリアリティを与えていると思います。演技面では、テッドが仕事と家事の両方を抱えてイライラしている様子を、ダスティン・ホフマンさんが見事に体現しています。とくに、朝食時に慌ただしくフレンチトーストを作る際の緊迫した雰囲気や、夕食時にアイスクリームを食べようとするビリーを叱りつけるシーンなどは見事。一方、メリル・ストリープさんは、テッドに家を出たことを責められては泣き、法廷で弁護士の追求を受けて泣き…と思わず同情したくなるような華奢な女性を見事に演じています。父親と母親の2人で子供を育てることが家族の原点であり、また子供にとっても最も大切なこと。そのことを再認識させてくれる作品です。
リアリティのある子供の描写がうまい
(2007-09-04)
メリル・ストリープ扮する母親が突然出て行ってしまう理由や、後半で突然子供の親権を主張しに来る経緯がよくわからなかったが、むしろ母親側の事情を描かないことで観客は父子の関係のみに集中でき、結果としてこれで良かったのだと思う。
映画やドラマを作る大人たちが創造する子供像は、異常に大人びていて聞き分けがよく、普通の子供が絶対に言わないようなセリフも多く、不自然なことが多いが、この映画では子供は普通にわがままで、親に反抗的で言動にリアリティがあった。演じるジャスティン・ヘンリーも見事な名演だったが、これだけ上手い子役に喰われないで演じきったダスティン・ホフマンは凄い。「真夜中のカーボーイ」「パピヨン」「レインマン」などくせのある役どころが多いホフマンだが、普通の職業の父親役でも演じきれたこの作品は、彼の演技のベストであろう。