映像もストーリーも、嫌というほどにリアルです。
(2008-07-02)
大人になったヒロインは思い出を内に収めながらも自身の今を選ぶ、ある意味リアリスト。主人公は働きながらも過去の恋愛に捕らわれ鬱々と彷徨い続けてしまう、繊細過ぎるロマンチスト。互いに好きであっても形に出来なかった10代の恋は、取り返すことの出来ないとても切ないものですが、こと成人女性においては、忘れずとも、振り返って溜息をついたり今を閉ざしてしまう様な出来事として感じることは、率直に少ないのかもしれません。
アニメやドラマでは、日々の疲れからか、どこか現実逃避をしたかったり、心地良くスッキリ感のあるエンディングを望んでしまいがちなのですが、ほろ苦い本作を見終えて「結局、生きてんのは今なんだよ?」と、制作側や現実社会からケツを叩かれた様な思いがしてなりませんでした。
ひらひらと舞い落ちる桜も、目映いばかりに青い海も、結局何歳になっても私達の目の前にはあるんですよね。制服姿には戻れませんが、今輝いていれればそれが誰にとっても青春であるし、見える景色もアニメ同様、くっきりと美しく鮮やかなものであるはずです(・・月並みですが、そう自分に言い聞かせておりますw)。思い出を愛でつつも、思い出に生きない為の映画であると、20代後半の自分は勝手に解釈させて頂きました。
・・映像美が素晴らし過ぎて、引き込まれる様にまた見たくなってしまうのですが、失敗など諸々で元気のない時に(3作目を)見ると、ちょっと鬱な気分にもなってしまいますw しかし、数回見ている内に主人公の現実をも受け入れられる様になってくるので、そこは奇妙な感覚でもあります。とにかく、感じ・考えさせられる傑作であると思います。
良いアニメ
(2008-06-22)
小説未読です。アニメだけ見ると、雰囲気重視の作品です。
ストーリーは良い意味で癖がなくて、とことんヴィジュアルで魅せるつくりになっていて、そのひとつひとつのカットにため息+脱帽です。
少年期は誰でもロマンチストで、大人になるとだんだん無感動な生き物になってしまうのかもしれないねというテーマ性を引き立たせる演出として、最高の出来だったと思います。
これみて欝入った人は、『風のリグレット』をやればいいんじゃないかな!!!
評判が良かったので見てみましたが・・・。
(2008-06-02)
物語的には、う〜ん・・・と言う感じです。期待しすぎると駄目なのかも。
しかし、音楽と映像は大満足!でした。
こうなると、好き嫌いが分かれる作品なのかもしれません。
とりたてて珍しい物語ではないです。ラストは、(ストーリーの流れを読んでいれば)想像した通りで、意外性が無かったのが残念。
また、貴樹がどうしてそうなっていくのか?が全く分かりませんでした。彼に何が起きているのかすら全くわかりません。個人的には、淡々と生きているような気はするんですけど・・・。これは、脳内補完が必要?かもしれません。そうなると、受け手側の想像によって評価が変わってしまうわけで・・・・・。難しいです。
個人的な解釈としてですが、貴樹は、明里との思い出は美しくとても大切なものって感じなのはよくわかりました。でも、だからといって個人的には、引きずっているようには見えなかったんですよね。
現実と向き合いつつも、辛い時は思い出に浸るって感じなのでしょうか?
これも、きっと意見が分かれるところだと思います。
しかし、映像と音楽は本当に素晴らしかった。これだけは十分感動出来ると思います。すごく切なくてたまらなくなります。主題歌の「One more time, One more chance」最高です。これって名曲だったんですね。桜が舞うシーンや電車の踏み切りシーンの映像は文句なしでした!最高のコラボですよ!
しかし、そう考えると現実的な物語が余計だったのかも・・・。
映像と音楽だけで感動できる作品だと思うので。
物語的には、★はひとつ。映像と音楽は、★を5つ。中間で、3つというところでしょうか。
個人的な思い入れを強く感じる作品
(2008-05-28)
新海監督は熱烈な恋愛経験があったのでしょうか?
「星の」から「秒速」までの3作は作風は違えど同じテーマを扱っています。
距離を得て巡り会えない男女の物語。
3作共に同じテーマを扱うということには監督の強い思い入れを感じます。
しかし、反面では個人的なテーマのような気もします。
これは「マーズアタック」に至るまで延々と「他人に理解されない自分」を描いてきたティム・バートン監督の作風を思わせます。
こうした個人的作品は好きです。
本作は前2作よりも演出に秀でたところがあり、新海監督作品の中では最も質の良い1本ではないでしょうか?
ただ個人的作品だけに好き嫌いもあるでしょう。
星3の評価は「リアリズムの欠如」でしょうか…。雪での電車の遅延シーンもそうですが、1泊の外泊が可能な高校女子というのも…何だか理解できません。(家庭崩壊?)
彼女への思いの強さ と 二人の仲の崩壊 の意味も分かりません。
美しく綺麗にまとまったストーリーだけに、細かい部分の演出もこだわってくれれば星5だったでしょう。
音楽の使い方は良いです。
名曲を更に引き立てた仕上がり
(2008-04-22)
元々山崎まさよしさんの「One more time, One more chance」が好きで、主題歌に使われていると聞き、この作品を観ました。
もうなんていうか、最後の3部作目は圧巻です!何度も繰り返し観ては涙がこみ上げてきました。
1部と2部でせき止めていた様々な思いが、最後に一気に溢れた感じ。
台詞も少なく語りも静かですが、その分最後の3部作目がすべてを表していると思います。
絶え間なく切り替わる映像が、山崎まさよしさんの歌と恐ろしいほど合っていて切ないです。
タイトルも美しい!
星5つにするか迷ったんですけど、ラストが私にはあまり…と思ったので星4つで☆