麗しき師弟間のバトン・リレーを記録した特典映像が見逃せない。
(2008-07-14)
ご存知、故黒澤監督の遺稿となった脚本に基づいて、黒澤監督の一番弟子とも言うべき小泉監督が完成させて、黒澤監督の1周忌にヴェネチア映画祭でワールド・プレミアを行った作品。内容自体は、題名の如く心が晴れ上がる思いがする傑作。理想的な夫婦像、主人公の浪人と庶民たち、武士たちの心の通いあいが91分という長すぎない時間で丹念に描かれている。時代劇らしく刀を交える場面も適度に取り入れられて映画のアクセントとなる。緑滴る自然の描写やいたわり合う夫婦の姿は次作「阿弥陀堂だより」に発展していくものを感じさせ、小泉監督の指向する所はこのデビュー作からも窺える。だが、本作は、黒澤監督ゆかりの製作スタッフ(監督補が野上照代さん)、俳優に祝福され、成功した師弟間のバトン・リレーの作品と捉えるべきだろう。雨のシーンや照明、美術、そしてカメラ・ワーク等ある意味黒澤流撮影の真髄を再現して黒澤監督的な映画が作られる過程をじっくり記録したメイキング映像、それに野上照代さんと小泉監督の対談が抜群に面白い。そして、映画のために国宝彦根城内に川(画面には登場しない)を作ったり、大井川の支流を作ったりする奮闘振りの中から、小泉監督のリーダーシップが発揮され、小泉組・小泉流(典型的には準備に時間をかけるが、撮影は短い日数で終えること)が誕生していく。1級のドキュメンタリーと言ってよいだろう。黒澤監督が残した絵コンテや創作ノートをたっぷり見ることができるのも感涙ものである。1点減点したのは、ラストは黒澤監督の遺稿通りに終わる方が良かったのでは、と考えるからだが、本作のラストも味わいがある。単に好みの問題です。
天下の大根役者三船史郎がイイ!!
(2007-09-18)
殿様役の三船史郎をみて妻いわく
「ねえ、この殿様、ちょっと下手くそすぎない?」
「棒読みすぎない?」
「このへんな間はなに?」
鑑賞どころでなくなりました。
言わずとしれた御大ミフネ敏郎の長男で、学生時代にいくつかの映画に出演したらしいですが、その後は三船プロダクションの取締役をされていたとのこと(「海燕ジョー」の製作者として名前あり)。
だけど、この殿様がイイんですねえ。磊落という言葉がぴったり。
ミフネの息子として遺伝子を受け継ぎ、おおらかに育てられたらこんな人格にもなろうかと。
演技者としては素人に毛がチョボチョボでしょうが、完全にほかの役者を喰っています。
宮崎美子さんなんか気の毒なくらい(同じ画面にでなくてよかった!)
ミフネは死して史郎を残し、俗人を驚倒させる。
必見です。
寺尾の殺陣にもご注目を。
なかなかに素晴らしく、感心しました。
一服の清涼剤
(2007-09-11)
味わい深い小品というのがぴったりの映画。大作ではないけれど一服の清涼剤のような映画で、今の邦画ではこういう後味の爽やかさはなかなか望めない。全体に黒澤明の持ち味を失わないように配慮されており、キャストも後期の黒澤組の面々で固められています。寺尾聡と宮崎美子は抑えた演技ながら好演でしたが、三船史郎が意外に良かった。お世辞にも演技が上手いとはいえないけど豪快なキャラクターの殿様にぴったりで、この人にもっと映画に出てもらいたいと思いました。
クラシックのような
(2007-03-28)
静かで穏やかな風景、その場面だけで世界に入ってしまう感覚、剣の腕の確かさを伝えるシーンでは、本格的に居合を使い、細かいところをやけに主張したりするところが、かなりマニアックな作品です。クラシックて聞き慣れないと、同じような感じで退屈になりがちですが、聞き慣れてくるとそりゃあ奥深いものですよね。この作品は僕にとって、クラシックのような作品です。間隔を開けて何回でも見てしまいます。時代劇でこういう作品て多くはないと思います。ちなみに僕は時代劇大好きで、忍法 剣豪 大名 座頭市 必殺 なんでも見てます。これからもたくさんの名作に出会うため、時代劇を見続けて行きたいです。
うーん・・
(2007-01-31)
黒澤監督は映画に妥協しない!とゆうのが有名ですが
所々で現代の風景が出てくるのに違和感ばかりでした
お城の庭のシーンで、アスファルトがあったり、浪人に過去の話を聞くとこも、どこかの城の一部で撮影してるんだろうけど襖に柱に、、古すぎて、、現代の文化財とかになったお城であって当時のお城では決してないと思いました。
何百年も経過したお城に殿のきらびやかなお召し物はギャップがありすぎでした。
主人公の性格も偽善者に見えたし、殿に対してもあまりに堂々としすぎて無礼さを感じました。
しいていえば殿様がヨカッタかな!あんな天真爛漫で話もわかる殿様がいたら、みんな幸せでしょうね!
最後は自ら手綱を引き、馬を走らすとこなんて、ありえない・・と思いながら、この殿様ならありえるかも、と引き込まれました!
近代化している現代に時代劇を撮るのは難しいことだなと、いつも思います。
手付かずの自然などなかなか無いですもんね!どんな山道でも舗装されてたり電気が来てたり・・
どっぷりハマれる時代劇を期待します。