哀愁
(2008-07-06)
ジャージ姿のビル・マーレイがもの悲しい。
ラストの幕切れは、まさに、人生の幕切れ。
創りの巧妙さは秀逸。
マッタリした音楽は人生の深遠さを引きただせる。
女優陣の芸達者ぶりも必見。
類稀な珍味的、佳作。
この肩透かしが、ジャームッシュ映画の魅力
(2008-06-02)
久々にジム・ジャームッシュ監督の映画を見ましたが、相変わらず人を食ったヤツです。
「19歳になるあなたの息子が、父親探しの旅に出ている」。元プレイボーイの中年男性の元に届いた、女性の筆跡による差出人不明の手紙。身に覚えはないものの、探偵モノに傾倒する隣人に勧められるがままに、かつての恋人たちを訪ねる旅に出ることに。バラの花束を持って。
旅先でのかつての恋人たちとのやり取り、タイプライター、ピンク色…。あちらこちらに張り巡らされる伏線。ストーリーが進むにつれ謎が解き明かされるのかと思いきや、観客の期待を見事に裏切る展開の連続。そもそも主人公のプレイボーイを、イケ面とは程遠いビル・マーレーに演じさせている時点で人を食っています(モテ男の雰囲気はかもし出しているかも?)。こうなったら、もうさじを投げて笑うしかありません。
この肩透かしが、ジャームッシュ映画の魅力でしょう。
父親にとって息子とは?
(2008-04-10)
【ネタばれ注意】
昔つきあっていた女性との間に
子どもができていたことを、
約20年後に知らされる・・・・
いたずらかもしれないし、
その息子とやらに会いに行く気になど
ならない・・・・
しかし、過去につきあっていた
4人の女性のもとを訪ねてまわり、
息子の正体を探ろうと旅をしている間に・・・・
いつの間にか、妄想の中で自分は「父親」になっていた!
(ただ、からかわれただけかもしれないのに!)
オチは、一見無いようですが、
充分オチていると思いました。
面白かったです
(2008-02-29)
「過去は終わってしまった。
未来は変えられる。大切なのは今だ」
そんな悟ったようなセリフを青年に語りつつ、
まだまだ闇の中にいる中年男のドンが良かった。
雰囲気もいいし、音楽もゆるくてぴったり。
ビル・マーレイが何もしなくても面白かった。
画面にいるだけでジワリ伝わるものがあった。
ビルが醸すオーラにニヤニヤしちゃいました。
人生いろいろあるけど、なんかボクって
いまいちなんだよな〜って感じが好きです。
ジャームッシュのオチない話
(2008-01-19)
一つだけ伝えるなら、本作、徹頭徹尾ジャームッシュらしい映画だと。
自分の過去と否応がなしに向き合うことを余儀なくさせられた男の物語だが、
その「余儀なくなる」演出が洒落ている。
主人公ドンの居心地の悪さが画面から伝わってきて、
それが状況の変化だけでそうなっているのでなく、
生活全体がすでに煮詰まっているところまで淡々と描く。
その辺が面白い。
ジョンストン(犬じゃない方)が暗くなりがちなストーリーのバランスを取っている、
露出狂のテーンエイジャー、花屋など魅力的な脇役も見所か。
空港からのフリーウェイの情景が必ず森の中であるところが、
「ストレンジャーザンパラダイス」を思い出させてくれました。