映画としての評価ができるのは、前半だけ。
(2007-12-28)
前半のサクサク進む感じはたまらなかった。が、相田翔子のでてきたあたりからがっかりした。彼女の演技力だけ極端に浮いている上に、相田翔子のキャラクターにリアリティがないし、ましてその家族はもっとリアリティーがない。そこで一気に冷めた。あの家族のくだり自体が必要だったのか?特に前半まったく展開に無駄がなかっただけに残念。あのくだりをもっと縮小してほかのエピソードを入れる事はできなかったのか。映画というのはあくまでも原作を映像化したひとつの作品で、あまりに原作に忠実につくってもそこは読み物と映像、良い作品になるならば多少ならば手を加えてもかまわないのでは。
まるで連ドラ12話を二時間ちょっとに無理にまとめたような、途中のぐずぐず感を数字が落ちてきたから相田翔子のくだりでここも一応物語りをふくらましておくか、そんな印象をうけてしまう。結局あのくだりにあそこまで時間をかける必要はなかったのだし。
エンドテーマもどうせならあおいの作った映画の曲をつかってほしかった。映画を通してずっとその曲できたのだから、そうくるだろうなと思っていたら、そこで悪い意味での裏切り。さらにがっかり。
不思議な映画
(2007-12-12)
いわゆる「泣かせる系」の映画だろうと思って観てみました。
泣かせようと思えば、もっと泣かせるための演出が出来たはず。
だけど、あえてそれをしなかったのかな、と思います。
染み込んでくる切なさ。
悲しい映画だけど、良い映画でした。
宝物のような日常
(2007-01-07)
岩井門下の熊澤尚人監督作品。私はもともと岩井俊二監督がものすごく好きですが、この映画は「プロデュース」だったので正直どうなんだろう!?と思ってました。CMとかはなんだか綺麗すぎるし、泣かせようとする演出満タンだった気がするし、題名もベタすぎて作りきったようなわざとらしいラブコメディーかなあ、なんて思いあまり期待してませんでした。
・・・・しかし、すごく良かったです、この映画。
主演の上野樹里さんがかもしだすごく自然な大学生の雰囲気。市原隼人さんのチャラ男っぽい軽い感じのキャラ。そのどれもが、自分の大学生時代を鮮明に目の前に思い出させるほど、身近で、日常に肉薄するものでした。上野さんはふつうにいたらすごく美人の部類だろうけれど、この映画ではそうは見えません。もてなくて、男に恋愛対象にされず、それでも自分の夢を確固として守っている・・・弱く、脆い、とてもふつううの女性に見えます。市原さんもそうで、本当に鈍感で、馬鹿みたいに真っ直ぐだけど不器用な人に見えます。そうさせる演出は本当にすごい。
身近で起こった、宝物のようなできごとを、時間を、日常を、そのまま切り取って見せられているような気がします。
きれいすぎもせず、変にドラマティックでもなく、余計な説明も無く・・・物語は唐突にフッと消えてしまいますが、素直に涙が出ます。岩井さんが選んだという最後のエンディングの楽曲もとても良かったです。
岩井映画に飢えていましたが、ひさびさに良い映画を見させてもらいました。
上野樹里と蒼井優
(2006-12-21)
ほぼ同世代の演技派が2度目の共演。どちらも主演は上野樹里。これは演技の優劣より個性が対称的。押しの上野、引きの蒼井。不器用な上野、器用な蒼井。実際は上野が年下だが、姉の役。蒼井は妹役。上野の持つ押しの強さが強がりになり、蒼井の引きが達観に見える。男女10人づつのクラスがあったら、女子10人中9人の役が出来るのが上野。蒼井は10人全員出来る。二人の役の幅を分けるのは姿勢。蒼井はバレエ経験者。お嬢様もこなせる。上野は猫背。ただしそのお陰で背中で語る芝居が出来る。猫の背中は何も考えていなくても哀愁がある。またこの違いから俳優同志として相性が良い。