「やっぱ飛び降りでしょー」 「オムレスロ・ヘ・ジュセヨ」
(2007-02-03)
冷めきった主人公リン(谷村美月)の風情が抜群なのに、残念ながら、どう見ても本気とは思えない退屈女子4人の自殺イベント話には精彩がなく、ちょっと退屈。(はなっからショートフィルムと思って見ればこれで充分か・・・)―ところでこの髪型の美月ちゃんて、この映画しか無いんじゃない?―その意味で貴重。 メガネっ娘のウタ(北乃きい)もほどよくクールで抜群に可愛いので(韓国語よかった)、なんかこのドラマだけではもったいない気がする(暗いシーンが多いしなぁ・・・)。このリンとウタW主演で「自殺サークル」的な毒気も含みつつ、「花とアリス」よりクールな、もっとポップで危険なガーリィ・ムービーを誰か撮って下さい!とか思ってしまう・・・。
―ちなみにあのランボーの永遠の一節はちょっとなんだかな〜。でも美月ちゃんの声で言ってるからいいんだけど・・・。
―あと、メイキングが充実してるのでよかったけど、もっと舞台挨拶の映像とかも欲しかった・・・。
永遠の重みはいずこへ。
(2007-01-20)
行定勲が岩井俊二組出身であることをあらためて実感。
一時間という枠組みの中、淡々とした映像と静かなピアノの旋律に乗せ、
時にブラックな笑いを交えてそこに描かれるのは“こんな世の中”とやらに
嫌気がさして死に向かう四人の高校生の姿。
でも岩井俊二と行定勲の最大の違いは、後者がひどく現実に立脚しているということでは。
彼女たちの死と生へのスタンスは、総じて軽い。
イマドキそんなもんだといわれれば、まぁそうなんだけれども、しかしユビサキに
人のあたたかさを感じ自殺をやめて「永遠をみつけたの」と宣言されても、
なんだかなぁと思ってしまうのが正直なところだ。
「永遠」に付随するであろう重みはどこへいってしまったのだろう。
この映画最大の収穫は谷村美月という存在。
暗さを内に秘めた美形は確実に開花する。目力もつよい。
今注目の若手女優です。
キャシャーンの二の舞
(2006-11-19)
「GO」や「北の零年」は本当にいい映画だと思うが、なんでその監督がこういう映画を撮っちゃうのか、不思議でならない。
小説もマンガも映画も音楽、すべてがサブカル化したといわれる現代、小説なら小説の中でだけ評価するのではなく、映画やマンガもあわせて、その中でもこの小説はおもしろい!と評価するのが、現代の正当な作品評価だと思う。
つまり、「音楽」と「映画」を比べなければならない。で、比べると、この映画は完全にアンダーグラフの「ユビサキから世界を」に食われている。アンダーグラフは「言葉」に対して深いこだわりを持つバンドで、その特性から考えても、行定監督が表現したことは、アンダーグラフが表現したことにすべて内包されてしまっている。キリヤ監督がキャシャーンでやりたかった(はずの)ことを、宇多田ヒカルが「誰かの願いが叶うころ」でぜーんぶ表現しちゃったように、です。この映画を見るなら、アンダーグラフの曲聴いてたほうがいい、ってことです。
てゆうか、行定さん、こんな映画撮ってたら「リリイ・シュシュのすべて」を撮った岩井俊二に一生勝てませんよ? 師匠を越えようという気持ちはまったくないんですか。
MUSIC×CINEMA, アンダーグラフ×行定勲
(2006-09-25)
アンダーグラフの「ユビサキから世界を」にインスパイアされて、「セカチュー」の行定勲監督に制作された映画。
短期間で作ったのか、女子高生による集団自殺をモチーフにした脚本は、正直ちょっとチープに思いました。
まあ、ボクよりも、行定監督のが今の女子高生の心情がリアルにわかっているかもしれませんが。
よかったのは、主演する5人の女子高生役のそれぞれが魅力的なのと、終盤の集団自殺しようとする舞台となる校舎とその屋上からの風景、女子高生の映像美と、そのエンディング前のやり取りから、アンダーグラフの「ユビサキから世界を」が流れるオーバーラップが良いです。
音楽と映画のコラボレーションという企画を通した、行定勲監督の情熱を評価します。