なぜモンタナ州ビュート
(2008-08-08)
というのは、ヴェンダース監督の「ハメット」の最初のほうにモンタナ州ビュートという地名が出てくるのですが、きっと彼はアメリカでこんな映画を撮るのが夢だったんじゃないだろうか!?
グーグルアースで見るとビュートは何にもないところにある小さな町。映画に出てくる通りもわかるほど。アメリカの田舎(ど田舎)で、いかにもありそうなお店やいかにもいそうな人々が出てくる映画です。きっとドイツ人がアメリカを見たときの印象から来ているので、日本人がアメリカを見るときと共通するものなんだろうなと思います。主人公のお母さんとか、ウェイトレスとか、インディアンとか、フィットネスクラブ、単純に真四角の建物とか、砂漠、馬、道路。ストーリーや豪華なキャストにも目が行きがちですが、そういったところにもアメリカらしさがよく出ている映画だと思います。
普通の「アメリカ」
(2008-04-10)
アメリカというと、
ニューヨーク、ワシントンといった都会しか
イメージできないほど、アメリカについては
何も知らないのですが、
アメリカの普通の田舎町が、どんなところなのか、
ということをこの映画を通じて知ることができました。
へー、こんなに静かで、人が少ないんだ・・・・
諦めの受容
(2007-03-11)
独身中年男性が、現在の自分の人生に虚無を感じ、仕事をほっぽり出して、存在する自分の子供を捜しに旅に出かけるロードムービー。
西部の荒涼とした空疎なアメリカの砂漠が、どこまでも映し出される。ティム・ロスが砂漠で、さらりとフィリップスの電動シェーバーを使って髭を剃る。この髭を剃るシーンがとてもきれいだ。開拓されていない空っぽの砂漠と、トリプルトラックヘッドシェーバーとの対峙が、やわらかな陽光の下とても美しい。
男は幸せな家庭を築くことを自分の夢とするのか、自我の実現を自分の夢とするのか、といった野暮ったい話ではない。どちらかを選択する以上、必ず後悔するというペシミスティックな話でもない。旅をすることで、濃密な空疎の中で、人生のある種の諦めを受容する話ではある。朗らかな風が、人間味のある旧車が、1人の男の旅を、優しく当然のこととして称えている。
映像の色彩
(2007-02-16)
まったく期待せずに観たのだが、素晴らしかった。
秀逸なセンスとカメラワークでアメリカ西部の乾いた空気感や、
人との「コミットメント」に飢えてる人々の寂寥感を出している。
そして、映像の色彩というか、「色合い」が素晴らしい。
ただ、この邦題の付け方はいかがなものかと思うが・・・。
最高傑作です
(2006-10-29)
たまたま母と一緒に劇場で鑑賞しましたが、親子で涙が止まりませんでした。
ある特定のテーマを押し付けるような厚かましさはなく、見る人それぞれが、それぞれの感覚で「家族」を感じられる作品となっています。
感動するところを述べたらきりがありませんが、私は娘が父親に大して純粋に気持ちを打ち明けるシーンにとても感動しました。彼女の素直さがアール(息子)の気持ちを溶かしたのだと思います。
それにしても、なぜベンダースが老人を描くとこんなにも素晴らしいものになるのでしょう。
日常忘れがちですが、改めて老人に敬意を感じることができました。