コロムビアミュージックエンタテインメント
本物のパンク (2007-03-11) 彼が偉い(と言おう)のは、生き方が一貫してパンクだったからだ。 セックスピストルズみたいに、金がなくなったら昔の曲でバンドを再結成するのがパンクだ、という風にはならなかったからだ。彼は、専業作家としてやっていけるようになる49歳まで、飲んだくれで怠慢な日雇いの肉体労働者だった。ぼろぼろの身体で、離婚を繰り返し、来る日も来る日も飲み続けた。働いたお金は、酒と競馬に消えた。そして、売れなくても、また文学的価値が限りなくなくても、彼は自分の信じた小説をずっと書き続けた。そんなわけで、彼は死ななかった本物のパンクなのだ。 始めて彼のポエトリーリーディングを観た。薄暗い部屋で、ライトの下、煙草をくゆらせ、バーボンをかっくらいながらのリーディング。時に、酒がないと帰ると愚痴り、客にからみだすその姿は、まさしく........パンク!! 広く社会から好意的に迎えられるわけではないが、自分のやりたいことを、生涯、タフにやり続けた不良老人の姿は、やっぱりかっこよかった。