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太陽の帝国 お気に入りに追加
トム・ストッパード
出版社・発売元:

ワーナー・ホーム・ビデオ

媒体: DVD
ランキング: 54513
発売日: 2006-07-14
レビュー (Amazon.co.jp)
   第2次世界大戦下の中国で、両親と生き別れた11歳のイギリス人少年ジム(クリスチャン・ベイル)が、日本軍の捕虜収容所の中で日米さまざまな人々との交流を経て成長していく姿を描いた、スティーヴン・スピルバーグ監督の戦争超大作。
   派手な戦闘シーンなどを売りにするのではなく、あくまでも少年の視点で見つめた人間関係の中から戦争の本質を浮かび上がらせていく構成になっている。日本からも伊武雅刀、ガッツ石松、片岡孝太郎が出演。
   また、敵味方の別を超えて飛行機への愛情を如実に描く零戦の出撃シーンなどに、スピルバーグ自身の少年期への想いも見事に反映されている。原作はJ・G・バラードの自伝的要素の強い小説だが、C・ベイルはバラードの少年時代にそっくりの風貌だったとか。(的田也寸志)

カスタマーレビュー

1941後10年目の作品  (2006-10-29)
1941で戦争を散々笑いものにしたスピルバーグ監督は10年後に戦争の本質を生々しく描いたこの作品私の記憶では日本では公開されなかったと思う。やはり誤解され易いデリケートな部分が問題になったのだろう。昭和から平成へと年号が変わってすぐの頃にレンタルビデオショップで、この作品を見つけた。洋画コーナーで”太陽の帝国”とデカデカと書かれたタイトルに心惹かれ手に取ると監督はスティーブン・スピルバーグと、これまたデカデカと書かれている。しかも去年製作の作品。当時のスピルバーグはE.Tで、その地位を不動のものにして売れっ子ナンバーワンの監督だったから、そんな作品が日本で公開されないなんて事は有り得ないことだった。しかも日本では、この映画話題にも上らなかったと記憶する。漠然と見ただけでは不人情な中国人、冷酷な日本軍それに捕虜となったアメリカ・イギリスの民間人の厭らしさといった部分だけがクローズアップされるのを恐れたのだろうか?
私としては戦争という不幸な状況のなか主人公がジェイミーからジムそして再び両親の元でジェイミーへと変身してゆく過程に深く感動した。スピルバーグ監督は戦争の本質を観客に問うとともに”決して諦めてはいけない”というメッセージを伝えたかったに違いない。
未だに安定しないイラク情勢、北朝鮮の核・ミサイルと何かと物騒な時代だが一旦戦争となれば、どういうことになるのか、この映画を見て考えて欲しい。

しみじみとした感動と余韻  (2006-10-23)
 この映画が撮影されていた頃、「ハリウッド初の上海ロケで大量のタイヤを燃やしたところ予想外の黒煙が出て騒ぎとなり、上海っ子の話題をさらった」という記事が新聞に出ていました。そのタイトルが『太陽の帝国』というので、とうとうスピルバーグが日本たたきの映画を製作するのかと思いました。が、実際の内容はまぎれもない人間ドラマでした。なんでもこの映画をスピルバーグに作らせたものは彼自身の零戦への憧れだったのだとか。少年時代に親に隠れて『トラ!トラ!トラ!』を友達と見に行き、いたく感動した思い出があるのだそうです。
 映像と音楽がすばらしいです。ある意味この映画には神風特攻隊へのレクイエム的な側面も加味されているような気もしました。家族みんなで見てほしい映画のひとつです。

スピルバーグの好きと嫌い  (2006-09-27)
現実をまざまざと見せつけられる。その中での少年の視点。
視聴するものは常に第三者の視点(だからしっかりと状況把
握をさせられる)。想像力の働く余地の無い、夢を見させて
くれないスピルバーグ映画のそんな作り方は嫌い。

けれどジムが日本軍パイロットに敬礼する、答礼をするパイ
ロット達のシーンは涙が出るほど美しい。これは案外冷たい
美しさか?けれど最後はハッピーエンド。

神の眼差しで見た神風特攻隊の出撃  (2006-08-15)
 戦争と平和のどちらがいいかと問はれれば、もちろん、平和である。しかし、人間には、それでも、戦はなければならない時が有る。−−だからこそ、平和は尊いのである。−−こんな事も分からずに、ただ、呪文の様に「平和」と言ふ言葉を唱える「平和主義者」たちが、戦争を戦った人々よりも上位の存在なのだろうか?
 この映画の中で、神風攻撃隊が、出撃の杯を受け、大空に飛び立とうとする場面が有る。−−出撃する日本のパイロットたちが歌ふ「海ゆかば」に、主人公のイギリス人の少年の歌声が重なるこの場面は、本当に、何度見ても感動を禁じ得ない。−−初めてこの映画のこの場面を見た時、私は、自分が見て居る物が信じられなかった。それが、アメリカ人の監督が描く神風特攻隊の姿である事が、信じられなかったのである。言葉だけの「平和主義」など、この映画の、この神の眼差しの様な場面の前では、何の意味も持たない。

(西岡昌紀・内科医/61回目の終戦記念日に)

偉大なる子供映画。  (2006-06-15)
少年の目を通して描かれる戦争をスピルバーグ監督が叙情性豊かに描いた力作。少年(ジム)が憧れ続けた零戦を目の当たりにして思わず近寄って零戦に触れるシーンは非常に美しく叙情的でスピルバーグ監督の才能が集約されている印象的な場面だ。子供の視点から物事を描くのはスピルバーグ監督のもっとも得意とするところであり、この作品はその頂点に達したものである。戦争という悲劇を圧倒的な迫力で描いている場面もあるがファンタジックな場面もあり、後に製作される「シンドラーのリスト」のような作品とは趣が異なる、言わば「ET」路線の集大成のような作品。スピルバーグ監督が子供路線から大人路線へとパラダイム・シフトしていった中間的な映画で味わい深いものがある。ひょっとしたらこの頃が彼の頂点だったのかもしれないと思わせるほど見応えのある素晴らしい作品だ。

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